ピラフ一味
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ピラフ一味(ぴらふいちみ)は、鳥山明の漫画『ドラゴンボール』と、それを原作とした同名アニメに登場する架空の一味である。
漫画では其之十八「D.B.(ドラゴンボール)奪われる!!」で、アニメでは第1話「ブルマと孫悟空」でそれぞれ初登場。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 概要
ピラフを中心とし、世界征服を企む3人組。最初期から登場しており、作品初期の雰囲気を強く反映した間抜けなギャグキャラ。
全員かなりウブな性格をしており、「投げキッス」をいやらしいことだと思い、口に出すこともためらう。ブルマが、「『きょいきょい』や『ぱふぱふ』、『いんぐりもんぐり』とかされるかと思った」と発言した際には、慌てふためきブルマを変態呼ばわりしていた。
アニメでは、原作と比較して登場機会が大幅に増えており、孫悟空とは腐れ縁とも言える状態であった。
[編集] メンバー
[編集] ピラフ
声:千葉繁
世界征服を企む大王。水色の肌をしており(文献「ドラゴンボール大全集」ではモンスター型地球人と分類)、身長が低い。着ている服には何故か「炒飯」の文字が入っている。3人の中でも特に間抜けな性格。世界征服を企んではいるが、目的を達成した際に何をするかまでは考えていない。
ドラゴンボールの位置を判明不能にする特殊なケースや、合体機能を持つ乗り込み型の戦闘用ロボット・ピラフマシンを製作するなど、科学力・資金力はそこそこあるが、戦闘力はたったの3。人工衛星を使い、占いババの館での孫悟飯と孫悟空の対戦から悟空の弱点を見つけ出し、ピラフマシンで勝負を挑むも弱点の尻尾がなくなっていたためあっさり敗北。また、アニメでは悟空との対戦に備え他の二人と共にピラフマシンの性能テストを行うシーンがあった。
名前の由来は食べ物のピラフから。
[編集] シュウ(ソバ)
声:玄田哲章
ピラフの手先の一人で、犬型の地球人。忍者のような服装をしているが、特に忍術を使えるわけではない。ピラフと比較すればまだ常識的だが、何処か抜けた性格。ピラフマシンで悟空に敗れた際、道着が破れた悟空に服を取られたことがある。
名前が2つあるのは、当初ソバという名前をつけていた作者が、アニメ化の際にそのことを忘れシュウという名前を再度つけてしまった為。結局シュウが正式名称ということで落ち着いたが、混乱があったのかそれ以後でも名前がソバになっている箇所がある。当然、アニメでは全てシュウに統一されている。
6巻にあるコミックス巻末コーナーでは、「ショウ」とまたさらに名前を間違えられていた。
名前の由来はシュウ+マイでシュウマイから(ソバという名はソバから)。
[編集] マイ
声:山田栄子
ピラフの手先の一人。背が高く、容姿端麗な長髪の女性。将校風の服装をしている。普段は露出度が少ない服装であるが、眠るときは色っぽいネグリジェを着ている。間抜けな面もあるが、一味の中では一番の常識派であり、他の2人の突っ込み役。容姿に似合わず下ネタが好きな一面があり、それをピラフにたしなめられたことも。また作中では他の2人同様いつも悲惨な目にあっている。アニメでは悟空を追って山に登った際、その山は女性が登ると猛吹雪が起こることを知ったピラフに、山から蹴り落とされるシ-ンもある。
名前の由来はシュウ+マイでシュウマイから。
[編集] ストーリーへの絡み
- エイジ749 - 悟空たちからドラゴンボールを奪って世界征服を企もうとするも、ウーロンがとっさに言ったスケベな願いで妨害される。さらに満月を見て大猿に変身した悟空を見て逃亡を図るが、ジェット機を墜落させられ、散々な目にあう。
- エイジ750 - 悟空が占いババの用意した選手たちと戦った後、ドラゴンボールを賭けピラフマシンで悟空と闘う。「悟空は尻尾を握られると力が抜ける」という弱点を知り、利用して勝つ作戦だったが、直前の戦いで尻尾が千切れていたために握ることが出来ず、あっさり敗れる。
- エイジ753 - 電子ジャーに封じられていたピッコロ大魔王をよみがえらせる。大魔王が世界征服を果たした際に土地を一部分けて貰おうと画策していたが、結局散々利用された挙句追放される。
- アニメのみの登場シーン
- 初期には、第1話から登場。ドラゴンボールを実際に奪うまでに何度も失敗し、退散する様子が描かれていた。
- 2度目の玉探し編では、ピラフマシンを使用しての戦いの少し前に、レッドリボン軍編でも登場。悟空・レッドリボン軍幹部シルバー大佐と、三つ巴のドラゴンボール争奪戦を繰り広げた。悟空のかぶりものでチチを騙そうとして失敗したり、骨董屋で偽物を掴まされながらも、一旦は六星龍を手に入れることに成功。しかし、最終的にはシルバーに奪われることに。
- 原作ではピッコロ大魔王編が最後の登場だったが、アニメではその3年後・エイジ756に再登場。火喰い鳥の火山や雪山で、青年に成長した悟空と再び遭遇した。
- このようにアニメではかなり優遇されていたが、作品が『ドラゴンボールZ』に移行した後には、登場の機会はなくなり、アニメオリジナルの『ドラゴンボールGT』で再登場を果たす。
[編集] 補足
ギャグキャラクターであったため、通常では死亡してもおかしくないシーンでも、あまり重大な怪我をすることなく済んでいた。
- 大猿になった悟空にジェット機を墜落させられた際、その後機体が爆発し炎上したが、多少黒こげになっただけで済む。
- ピラフマシンを使用しての戦いの際、悟空に撃ったミサイルを投げ返されてマシンを爆破されるが、やはり多少の黒こげで済む。
- ピッコロ大魔王に追放された際には、上空の飛行船から突き落とされたが、地面に穴が開いたり、たんこぶが出来た程度で済む。
また、「悪になりきれていないのでは?」ともとれるシーンもいくつか見られた。
- アニメで偽のドラゴンボールを掴まされた際、奪うわけではなくきっちりと大金を払う。
- アニメでシルバー大佐から逃げられなくなり、ドラゴンボールを渡すよう要求された際、抵抗せずにあっさりと渡す。
- ピラフマシンでの戦いで敗北した後、悟空にドラゴンボールを渡すように言われるが、当初の約束通りきっちりと渡す。
[編集] 劇場版でのピラフ一味
パラレル色の強い映画『摩訶不思議大冒険』では、冒頭に一味が登場。
その間抜けなキャラクターゆえか、原作やアニメ本編ではピッコロ大魔王やシルバー大佐ですら一味を殺害しなかったが、この映画では桃白白に殺害されるショッキングなシーンが登場した。
[編集] ドラゴンボールGTでのピラフ一味
『ドラゴンボールGT』では無印での最後の登場から33年後のエイジ789、年老いたピラフ達がもう一つのドラゴンボールを狙って神の神殿に侵入する(小型ロボットに乗り侵入)が、うっかり願いを間違えて悟空を子供の姿にしてしまい、世界征服の夢は果たせないままとなった。その後も地球爆発の際、超サイヤ人4の悟空を恐れているシーンが見られた。
GTの設定を考慮するならば、魔人ブウ編で地球人の全員(ミスター・サタン、べエらを除く)が死に、その後「極悪人以外生き返らせてください」と神龍に頼んだにもかかわらず、生きていたことから、根は極悪人ではないということになる。
[編集] 『CROSS EPOCH』でのピラフ
完全にギャグキャラクターとしてONE PIECEのバギーとともに登場。最後に登場した漫画が掲載されたのが1988年ごろと考えると実に20年近い間封印されていたキャラクターと現行連載のイレギュラー出演者という顔合わせとなった。DRAGONBALLの彼とは別人であるものの、世界征服をたくらんでいるのは相変わらず。悟空とルフィのかめはめ波+ゴムゴムのバズーカを戦艦に打ち込まれ墜落寸前のところをベジータとブルマに撃ち落され、さらにピッコロとゾロの峰打ちを喰らった上に墜落し、亀仙人とサンジに見捨てられるという全盛期を凌駕するやられっぷりを披露してくれた。なお、墜落時の爆発の煙はどくろマークとなっており、さながらタイムボカンシリーズの悪党3人組がやられるときの演出のようになっている。ちなみに、一緒に登場しているバギーもアニメの声優は同じ千葉繁である。