フィアット・128
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| フィアット・128 | ||
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| 製造期間 | 1969年 - 1985年 | |
| 初代 | ||
| 1969/1971 | 標準仕様 | スポーツ仕様 |
| ボディタイプ | 2ドア セダン 4ドア セダン 3ドア ワゴン |
2ドアセダン(ラリー) 2ドアクーペ |
| エンジン | 128A型 直4 1116cc 55PS |
128AR型 直4 1290cc 67PS 128AC型 直4 1290cc 75PS |
| トランスミッション | 4速MT | 5速MT |
| 全長 | 3856mm(セダン) 3863mm(ワゴン) |
3856mm(セダン) 3808mm(クーペ) |
| 全幅 | 1590mm | 1590mm(セダン) 1560mm(クーペ) |
| 全高 | 1420mm | 1420mm(セダン) 1310mm(クーペ) |
| 車両重量 | 800kg(セダン) 825kg(ワゴン) |
815kg |
| 駆動方式 | FF | FF |
| 1974/1975 | 標準仕様 | スポーツ仕様 |
| ボディタイプ | 2ドア/4ドア セダン (スペシャル) 3ドア ワゴン |
3ドアクーペ(3P) |
| エンジン | 128A1型 直4 1116cc 55PS 128A1型 直4 1290cc 60PS |
128AC1型 直4 1116cc 65PS 128AC1型 直4 1290cc 73PS |
| 先代 | フィアット・1100/1200 | |
| 後継 | フィアット・リトモ/ストラーダ | |
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FIAT 128(1969年3月発表)はフィアットが1969年から1985年まで生産した初のジアコーサ式ユニットを積むFF乗用車。その後1972年ホンダ・シビック、1974年VW・ゴルフを皮切りに今日のFF車のほとんどがこのパワートレーンレイアウトを採用するに至った革命的クルマ。
目次 |
[編集] 開発の経緯
[編集] 長かった前輪駆動への道
そもそもフィアットで128というネーミングは社長がビットリオ・バレッタからジャンニ・アニエッリに交代した1966年、それまで開発コードであったティーポ124という呼び名をそのまま車種名に用いた時からの、いわばフィアットの戦後第2世代シリーズである。
フィアットにおける戦後第1世代シリーズとは、ダンテ・ジアコーサによる、有名な500トポリーノの後継車として1946年ティーポ100からスタートしたニューモデル群で、ティーポ101が先にデビューとなった1400(1950年)/1900(1952年)FR車であり、ティーポ103が1100の後を継ぐ1100/103(*戦前モデルの1100と区別するため開発ナンバーも添えられた)(1953年)FR車であり、ティーポ100がフィアット初のリアエンジン・リアドライブとなった600(1955年)という戦前の1400で初めて採用したモノコックボディの流れを組む車たちだった。
実はそのティーポ103の時期、すでにジアコーサはティーポ102として1.1リッターエンジンの前輪駆動を考えていた。ただ、そのプロジェクトは等速ジョイントの信頼性とコストの問題で立ち消えになっていた。 そして、ふたたび前輪駆動がプロジェクトとして動くのは、1958-1959年のティーポ123でのことだった。1.1リッターセダンとして開発されたのだが、実際は直列3気筒を縦置きにする、というものでそれ以上の進展はなかった。
[編集] 契機となったミニ
彼はその後1959年にBMCから発表された開発名ADO15（販売名オースチン・セブン/モーリス・ミニ・マイナー、のちMini（ミニ））（歴史的位置付けの場合、開発名で呼ばれることも多い。)に触発され、新しい考えを思いつく。 ミニのレイアウトは最初の横置きFWDでありジアコーサもびっくりするほど革新的であったが、その内容はエンジンの下にギアボックスを配置する2階建て式のもので、既存のメカに大きな改造を施さねばならず膨大なコストがかかった事と、パワーユニットの上下に厚みができ、最低地上高を確保することが難しいなどの欠点があった。 これらを回避するために、ジアコーサはエンジンの横にギアボックスを配置し互いに横置きにするという妙案を思いついたのだ。つまりエンジンとギアボックスの配置は以前のFRや縦置きFFと同じ直列につなげにつなげたものを90度回転させ横置きにする。結果、ミニのシステム(イシゴニス式)よりも厚みも少なくコストを抑えることができたのだ。
開発コード123E4として新たにスタートしたこのモデルは前代未聞の新設計をいきなりフィアットブランドでスタートさせるのは危険が多いとしてアウトビアンキ・ブランドで開発が進み「アウトビアンキ・プリムラ」として1964に発表された。エンジンはティーポ103の上級版1200グランルーチェのOHV 1221ccを横置きに積んだ。
[編集] X1/1計画
いよいよパイロットモデル「プリムラ」の開発をステップにX1/1プロジェクトがスタートする。それは128のための新しい開発コードであり、もっとも需要の多い1100ccおよび1200ccクラスの後継車種としのフィアットで初めてのFWDだった。 さらに、ジアコーサ式レイアウトによるメリットは新たなパワーユニットを生んだ。 ミニのパワーユニットは高さの少ないOHVエンジンであったが、ギアボックスを下に置き2階建式にするより、直列に並べたことで得た高さとコスト面の余裕が、革新的プロジェクトにふさわしい新型エンジンの開発を可能にしたのだ。
[編集] ランプレディのSOHCエンジン
エンジン設計をまかされたのは1955年フェラーリより移籍してきたアウレリオ・ランプレディであった。
彼はフィアットに入ってから、OHVでありながらクロスフローという凝った設計の直列6気筒新型ユニットを設計して頭角を現す。
1966年124のための1197cc4気筒OHVユニットを設計、さらにそのスポーツバージョンとして、1438ccにボアアップのうえDOHC化した。その2本のカムシャフトの駆動には、当時まだ例が少なかったコグドベルトを採用したことが彼を有名にした。このユニットは、その派生モデルが1990年代まで生産されるほど、斬新で、丈夫で、優れた設計とされている。日本でランプレディユニットというとツインカムを指す場合が多い。
その経験を活かし、128のエンジンはベルトドライブカムシャフト、5ベアリング、カム直打式、超ショートストローク80.5×55.5mm、1116ccから55馬力を発生する、高回転型エンジンとして登場するのだ。こちらもランプレディSOHCユニットとして有名で、本国やイギリスでは特にこちらに人気がある。
[編集] パッケージング
ジアコーサ式がパッケージングにもたらした影響は大きい。1100に比べ、約50mm全長が短いにもかかわらず、124よりも長い2448mmのホイールベースをもつ。とくに室内にはあたり前の事だがセンタートンネルやリアデフの張り出しが無く、フラットなフロアで広大な室内と荷室を確保し、たちまち人気を呼んだ。極めて優れたパッケージングの例として語られる。
[編集] 新設計の足廻り
サスペンションにおいても新しい試みを導入し、フロントはプリムラの横置きリーフスプリングのウィッシュボーンから、コイルスプリングのマクファーソン・ストラットへ、リアも、半楕円リーフスプリングによるリジッドアクスルから、横置きリーフスプリングのウィッシュボーンにより、独立懸架へと進化した。800kgと軽量なボディと、ワイドトレッドによって、優れたハンドリングを獲得した。
[編集] デビューから生産モデルの歴史
こうして1969年3月にデビューした128のボディタイプは最初、4ドアセダン(ティーポ*128A)、2ドアセダン(128A/2)、さらに11月トリノショーで追加となった3ドアのステーションワゴン(128AF FはFamiliare：家族の意)をベースとし、1971年に排気量をアップした1290ccのエンジンとともに、クーペ(128AC)、とラリー(128AR)を追加。さらに1975年クーペの3ドアハッチバック版として3P(Pはポルテ：ドアの意 型式は128AC)を追加、1974年5月からはその1290ccをラインナップすべてに加え、内外装に若干の変更を加え、1985年までに350万台以上を生産する。革新的な技術を取り入れた歴史的モデルであり、大衆車としても大ヒットモデルとなった。
(*出典: FAZA X1/9 STRADA 128 RACE WORLD & REPAIR MANUAL by Alfred S. Cosentino)
- 1970年 カー・オブ・ザ・イヤー受賞
[編集] 日本のFIAT 128
日本へは、フィアットの日本総代理店であったロイヤルモータースによって、1971年から4ドアセダン、2ドアセダンとクーペの輸入と販売が開始された。
1116ccエンジンは若干デチューンされ、8.5の圧縮比から49馬力となった。クーペの1290ccは51馬力であった。その後、昭和48年排ガス規制に対応する形で、セダンもクーペと同じ1290ccに変更され、車重も欧州仕様の800kgに比べ、848kgと若干重くなっている。
(出典: ロイヤルモータース株式会社カタログ)
[編集] 関連項目
- フィアット・X1/9 (128スパイダー)
[編集] 参考文献
- 『Fiat X1/9: A Collector's Guide』Phil Ward - X1/9をメインにしているが128ファミリーとしてその歴史が詳しく載っている。
- Motor Racing Pubns ; ISBN 1899870512 ; (1994)
- 『ワールド・カー・ガイド〈15〉フィアット』
- ネコパブリッシング ; ISBN 4873661129 ; 15 巻 (1994)
[編集] 外部リンク
- SITE128(サイト・ワンツーエイト) 日本ではめったに見ることのできない128オーナーのサイト
