プリント倶楽部
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プリント倶楽部(ぷりんとくらぶ)は、自分の顔や姿(ポートレート)をカメラで撮影して、シールに印刷された写真を得る機械である。通称「プリクラ」。「プリントクラブ」と表記されることがあるほか、プリント倶楽部及びプリクラは商標となっているため、「プリントシール機」「写真シール機」とも呼称される。
[編集] 概要
アトラスとセガが共同開発し1995年7月に発売したもの。その後各社から同様の機械が発売され大きなブームになった。 プリント倶楽部と名前が付くシリーズには、プリント倶楽部、プリント倶楽部2、スーパープリクラ21の3種がある。システムはセガの『システムC2』というメガドライブ互換の業務用基板が採用された。ちなみに、他社製のプリクラ類似品は、PC/AT互換機が筐体に内蔵され、OSはWindowsなどで動作している事が多い。
古くから、免許などの申請用にポートレートを撮影し数分間で現像・焼付けが行われて写真が出来上がる、街頭や鉄道駅構内などに設置された自動撮影機は存在するが、プリクラの場合は特にゲームセンターに設置され、機械内部に記録されている有名人などと一緒になった撮影ができたり、ペンタブレットを搭載し自由に落書きをしたり、フレーム(写真の縁取り)に花柄などの模様を入れたりなど遊びの要素を加えたもので、女子中高生や若い女性を中心に1997年ごろに大きなブームとなった。
その理由としては気軽に友人と一緒に写真を撮れることで友だち・仲間としての一体感を得られることが特に女子中高生の興味を惹いたといわれ、友達であることの証としてそのプリクラ写真を交換し、手帳に貼り付けることが流行した。その手帳は「プリクラ手帳」と呼ばれるほど多数のプリクラ写真で埋め尽くされるものも少なくなかった。プリクラ手帳は略称としてプリ帳とも呼ばれている。
その後過熱しすぎたブームは2年程で収縮し街中至る所に設置されたプリクラ機もその数を急激に減らしていったが、日立ソフト製の劇的美写の登場をきっかけに、免許証用証明写真にも使えるほどの高画質化、全身を写せるほどの広範囲化、プリクラ機で撮影した写真を直接雑誌に投稿できたりオーディションに応募できたりといったネットワークの活用、などの多機能・高性能化によって、2002年ごろに再び設置台数が増え始めた。アトラス社はスーパープリクラ21の在庫を大量に抱えていた為、第二次ブームはアトラス社以外のメーカーに先を越される結果となってしまった。
現在では、1回300円~500円程度という安さや手軽に思い出を残せる楽しさという点が見直され、女子中高生はもとより若い女性や家族連れなどにも親しまれ定着している。女の子向けのゲームとしてもオシャレ魔女 ラブandベリーと共に名作となっている。 また、ビジネスマンが名刺に張るためのポートレート撮影機、オーダーメイドによるカスタマイズにも対応されてゲームセンター以外の場所にも設置され、ご当地仕様など多様化している。
大ヒットした当時からプリクラ機内にいる人に対する盗撮被害や、置き引きが増え、現在では男性だけでの利用やプリクラ機を設置している区域一帯への立ち入りを禁止している場合がある。近年は座って撮影する機種や、仕切りが長く外部と完全に隔絶されている機種なども多く、かつてよりは盗撮行為などをしにくい環境に変化しつつある。
類似の機種として携帯で撮影した写真をシールにする自販機が多く存在するが、これらは撮影をしない点でプリクラとは全くの別物である。