ヘドラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヘドラ (Hedorah) は、特撮映画『ゴジラ対へドラ』『ゴジラ FINAL WARS』に登場する架空の怪獣。ドロドロとした特異な姿だが、熱烈的なファンが多い。
元デザインは漫画家の水木しげるのものだといわれているが、実質「ゴジラ対ヘドラ」の板野監督がデザイン及び造型に大幅に手を入れた模様。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] 『ゴジラ対へドラ』
劇中での命名者は海洋生物学者、矢野博士の息子である研少年(川瀬裕之)。
宇宙より飛来したと思われる鉱物起源の生命体が、都市近海に堆積していたヘドロや公害による汚染物質と結合し成長。その体は乾燥してしまうとボロボロに崩れてしまうが、水分が補給されるとその破片一つ一つがオタマジャクシ様の生物に実体化。それらは合体して更に大きな体を形作る。成長するにしたがって上陸用に足が生え、更に二足歩行化、最終的には飛行能力や光線発射能力まで身に付け、ゴジラを苦しめた。
ヘドラが通った後には硫酸ミストが蔓延し、金属は錆び人間は骨となった。ヘドロや工場排気を吸い込んで取り込み、一時的に環境を改善してくれているように見えたが、結局はその汚染物質を他の地域へ広くバラまく結果となった。公害問題が工業地帯など限られた地域に犠牲を強いているという批判をも体現している。
その飛行の推進力は核爆発によるものとされ、劇中の矢野博士の解釈から恒星同様のものとみられるが、後年の書籍にて、ゴジラの核物質を吸収したとする説もみられる。
ゴジラの片目を潰し片腕を白骨化させるなど激しい戦いを繰り広げ、また乾燥には弱いものの完全に倒すことは非常に難しいことから、マニアの間ではゴジラ史上最強の怪獣と言われている。
スーツアクターは後に平成ゴジラスーツアクターを務めた中山剣吾。
- 体長:0.1ミリメートル~60メートル
- 体重:4万8千トン(最大時)
- 攻撃:ヘドリューム光線、ヘドロ弾、硫酸ミスト
[編集] 『ゴジラ FINAL WARS』
ほんのわずかデザインを変えられて登場している。 X星人に操られ、エビラとともに海でゴジラと闘っていたらしい(その映像はなかった)が、陸に放射熱線で吹き飛ばされビルに激突。さらに後から飛んできたエビラのハサミが目の近くに刺さり、その後に出てきたゴジラの放射熱線で吹き飛ばされた。一瞬しか出番がなかった(エンディングに登場する都市破壊シーンは新たに撮影された、本編の短すぎる出番に配慮したと思われる)が、インターネット上で画像などで全身像が登場し、フィギュア(食玩)も発売された。さっさと倒されたが不死身の怪獣故、再生の危険があると思われる・・。
また、一部の雑誌で公開された画像ではあるが、こちらは劇中とは異なり陸上でゴジラと闘っているシーンがある。これは、スタッフがヘドラの登場場面の少なさを考慮して撮影された、いわゆる“特写”と呼ばれるものである。
一連の戦闘で、昭和ゴジラを散々苦しめたはずのヘドラが一瞬で倒された理由として、ファンの間では環境が改善されたため昭和ゴジラの時代ほどパワーアップできなかったからではないかという説がある。
- 身長:120メートル
- 体重:7万トン
[編集] 関連項目
- スペクトルマン - スペクトルマン初期に登場した怪獣がヘドラと同じ公害怪獣として登場している.
- 帰ってきたウルトラマン - 第1話に登場したザザーンがヘドラと同じ公害怪獣という設定で登場した。
- ウルトラマンネクサス - スペースビーストのペドレオンがヘドラと似たような攻撃技を持っている。
- 超星艦隊セイザーX - ヘドラにそっくりなデスバー及びデスパーを再生したネオデスパーが登場した。
- フランク・ザッパ - 1979年のアルバム「スリープ・ダート(Sleep Dirt)」のジャケットに、ヘドラを思わせる怪獣が登場(明言はされていない)。