ホテルビーナス (映画)
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ホテルビーナスは、チョナン・カン(草彅剛)が初主演した映画。日本では2004年3月6日公開。韓国でも9月10日に公開された。
日本映画ではあるが、全編朝鮮語で演じられるとともに、ロケの多くがウラジオストクで行われ、独特の無国籍感をかもしだしている。淡々としていながら重みのあるセリフ回し、猥雑さと清らかな美しさが代わる代わる立ち現れる映像で、人生の物悲しさと生きていくことの希望を巧みに描いた良作。草彅に関係する有名人が多数ゲスト出演している。作品内では草彅自身が習得したタップダンスも披露し、物語のキーポイントとなっている。
モスクワ国際映画祭新人監督部門の作品賞受賞。
目次 |
[編集] スタッフ
- 監督:タカハタ秀太
- 脚本:麻生哲郎
[編集] ストーリー
あるストリートにたたずむ建物、ホテルビーナス。物静かな老オカマ・ビーナスが経営するそのホテルには、どこか影を背負った人々が、本当の名前さえ隠して共にひっそりと暮らしている。ある日、小さな娘を連れた男がやって来たのをきっかけに、彼らの生活は少しずつ変化し、それぞれが己の傷と向き合い、人生を見つめ直していく。
[編集] コピー
そのドアを開けるとき やさしさがあふれ そのドアを閉めるとき 涙があふれる
[編集] キャスト
0号室。ホテルの下働き兼カフェのウェイター。暗い過去を背負い、未来に希望を持てずに暮らしている。タップダンスが得意。
- ドクター(香川照之)
1号室。腕利きのヤミ医師だったが、今は廃業し酒に溺れる毎日を送る。
- ワイフ(中谷美紀)
ドクターの妻で、元ヤミ看護婦。ドクターの再起を願いながら、ホステスとして働き生計を支える。
- ソーダ(チョ・ウンジ)
3号室。花屋で働きながら、いつか自分の店を持つことを夢見ている。弾けるような笑顔が仇名の由来だが、その裏で不本意な仕事に手を染めている。
- ボウイ(イ・ジュンギ)
4号室。幼い頃ホテルビーナスのカフェに置き去りにされた孤児。人一倍強さに憧れ、常にピストルを手放さない。
- ビーナス(市村正親)
0号室。片足が不自由な老オカマ。いつも静かに微笑みながら皆を見守っている。
- ガイ(パク・ジョンウ)
少女を連れてやってきた男。2号室に入る。屈強だが無口で、人と関わることを拒んでいるようである。
- サイ(コ・ドヒ)
ガイに連れられてきた少女。全く笑わず、食事にも手をつけない。しかし甲斐甲斐しく世話を焼くチョナンに少しずつ心を開いていく。
[編集] 主題歌・挿入歌
- 「Everybody needs somebody」LOVE PSYCHEDELICO
- 「These days」LOVE PSYCHEDELICO
- 「Desperado」KOKIA
- 「ラララ」イ・スヨン