マスクラット
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?マスクラット | |||||||||||||||||||||||||||
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![]() マスクラット Ondatra zibethica |
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Ondatra zibethicus (Linnaeus, 1766) |
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和名 | |||||||||||||||||||||||||||
マスクラット | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Muskrat |
マスクラット(Ondatra zibethicus)は、哺乳類齧歯目キヌゲネズミ科マスクラット属に分類されるネズミ。本種のみでマスクラット属を形成する。
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[編集] 分布
アメリカ合衆国、カナダに自然分布。ヨーロッパ、ロシア、日本(埼玉県、千葉県、東京都)等に移入。
[編集] 形態
体長20-32cm。尾長20-30cm。体重0.5-2kg。全身は褐色や黒の体毛で覆われる。腹部に臭腺があり、ここから分泌される匂いが麝香(Musk)に似ていることが名前の由来。かつて英名を直訳してジャコウネズミと呼んだこともあるが、食虫目のジャコウネズミと紛らわしいことから、今日ではこの呼称は文学作品の翻訳で見かけるぐらいである。臭腺から発せられる匂いはディスプレイやマーキングに役立つと考えられている。
後肢の指の間の一部には水掻きがあり、また指に沿って水を弾く短毛が密集し水掻きの役割を果たす。
尾は長く体毛がない。また縦に扁平し、泳ぐ時には舵の役割を果たしていると考えられている。
[編集] 生態
流れの緩やかな河川や池沼、湿地に生息する。主に止水を好み、河川に生息することは少ない。主に水中で生活し、陸に上がることは少ない。夜行性。泳ぎは上手く100mの距離を潜水したまま泳ぐこともできる。外敵に襲われると水中へ逃げる。 流水域では水辺に横穴を掘って巣穴にし、止水域では水中に植物を積みあげた塚を作りその中に巣を作る。巣への入り口は水中にあり外敵に発見されたり侵入されないようになっている。
食性は草食性の強い雑食性でガマやハス等の草、水草、魚類、両生類、昆虫類、節足動物、甲殻類、貝類等を食べる。
繁殖形態は胎生で、1回に4-7匹の幼体を数回に分けて出産する。北部の個体群は春から夏にかけて、南部の個体群は通年で繁殖を行う。寿命は3年程。
[編集] Status
LEAST CONCERN(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
[編集] 人間との関係
毛皮目的で狩猟されたり養殖されることもある。
[編集] 日本への移入
第二次世界大戦時には、軍服の毛皮目的に日本にも移入され、江戸川周辺で養殖されていた。しかし戦後は毛皮の需要が減少したことや、性質が狂暴だったことから遺棄されるようになった。
以前は江戸川周辺で本種の蓮(レンコン)等の農作物、水生植物に対する食害が問題となっていた。しかし近年は開発によるハス畑や池沼、湿地の減少に伴いその姿を見ることは稀となっている。
上記のように農作物や水生植物、水草への食害、またそれに伴う生態系への影響が懸念されている。そのため2006年に外来生物法により特定外来生物に指定された。
[編集] 関連項目
- キヌゲネズミ科
- 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律
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