ミサイルサイロ
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ミサイルサイロ(Missile silo)とは、ICBMなどの大型ミサイルを格納する建築物のことである。単にサイロとも呼ぶ。この名称は穀物を貯蔵するサイロに由来すると考えられる。特に地下式サイロはミサイルの外形に合わせた円筒形の細長い穴となっており、上からミサイルを吊り降ろして配備する。敵の攻撃に備えて地下司令設備とともに硬化された(Hardened)施設となっており、至近の核爆発に耐える構造となっていると言われている。冷戦期の1960年代から建造が開始された。
地下式ミサイルサイロの建築は高価となり、これらを大規模に運用している国はアメリカ合衆国と旧ソ連(ロシア)に限られる。イギリスは冷戦初期に計画していたブルーストリークIRBM用サイロ建造を経済的な理由で中止し、フランスは冷戦終結後にSSBS IRBMのサイロ運用を停止した。中国はDF-5用に少数のサイロを運用しているにすぎない。
冷戦終結後、アメリカでは不要となったタイタンICBMやピースキーパーICBMが使用していたミサイルサイロが売却され、倉庫や民間人が所有する個人住宅となっているものもある。旧ソ連(ロシア)では第二次戦略兵器削減条約(START-II)で使用が禁止されたR-36M重ICBM(SS-18)用のミサイルサイロは爆破された上で埋め立てられて二度と使用できないようにされた。条約で再利用が認められた一部のサイロはコンクリートを充填して全長を短くし、より小型のRT-2PM1 Topol-M(SS-27)ICBM用に利用されている。しかしながらSTART-II自体の履行が完全ではなかったこともあってサイロの廃棄は一部にとどまり依然として多くのR-36が作戦中と考えられている。
サイロにおけるミサイル発射方式ついては、ホットランチ方式とコールドランチ方式がある。ホットはミサイルサイロ内でエンジンを点火する方式、コールドは高圧ガスによりミサイルをサイロ外へ射出し、サイロ外の一定の高度に到達した時点でエンジンを点火する方式である。従来のホット方式ではサイロ内でミサイルのロケットエンジンに点火されるためサイロ内部が高温のロケットエンジンの排気に晒されて損傷・破壊されてしまうが、コールド方式であればサイロはミサイル発射後も機能に問題を生じることが無く再利用が可能とされていた。アメリカではピースキーパーがコールド方式である。
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