ミスター・ルーキー
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『ミスター・ルーキー』は2002年に日本で公開されたプロ野球を題材にした映画である。井坂聡監督。
元プロ野球選手・長嶋一茂(現・読売ジャイアンツ特別代表補佐)が主演し、しかも彼のキャラが巨人のライバル・阪神タイガースの選手と言う設定と事で話題を集めた作品。興行収入は4億3000万円。
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[編集] あらすじ
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
阪神タイガースが、甲子園のホームゲームにだけ登板する覆面投手「ミスター・ルーキー」を入団させる。ミスター・ルーキーが投げるとチームは連戦連勝を重ね、優勝にあと一歩と迫るのだった。
ミスター・ルーキー、その正体は一切謎とされている。だが、覆面を取れば、普段は酒造メーカーの営業マンとして、主に酒屋を巡る毎日。若い頃はプロ間違いなしと言われるほどの実力であったが、肩を故障してプロへの道を諦め、妻子持つ普通のサラリーマンになっていた。
ところがある日、父兄野球を観ていた整体師の目に留まり、彼の薦める薬を塗ると肩の痛みが消えて剛速球が復活するように…。その噂を聞きつけた阪神監督が、ホームゲーム限定の覆面投手として獲得に動き出す…。
[編集] キャスト
- 大原幸嗣:長嶋一茂
- 大原優子:鶴田真由
- 楊:國村隼
- 小嶋典子:山本未来
- 椎橋純子:さとう珠緒
- 矢部:吹越満
- 平松コーチ:中原丈雄
- 多田:嶋尾康史
- 大原俊介:米田良
- 成田社長:神山繁
- 武藤秀吾:駒田徳広
- 江川常務:宅麻伸
- 古賀和男:竹中直人
- 瀬川監督:橋爪功
[編集] その他
この作品では、実際に桧山進次郎、広澤克実、八木裕、矢野輝弘ら当時の阪神タイガースの現役選手や田淵幸一、吉田義男、ランディ・バースなどのOBが出演したり、甲子園でのロケーションも実施されるなどタイガースとの全面協力体制によって製作された。また、社会人チームや阪神戦中継で定評のある朝日放送の協力も得て、当時社会人チーム選手だった能見篤史(現阪神投手)や道上洋三などの朝日放送アナウンサーも出演した。地上波では2003年にANN系列でこの映画が放映された。
しかし、掛布雅之など一部の阪神OBは阪神に在籍していなかった選手が阪神のユニフォームを着ることに対して強く反発し、この映画への出演要請を断っている(特に主人公が阪神の永遠のライバルである巨人のOBの一茂(一茂はヤクルトのOBでもある)だったことが更に強い反発をよんだと言われている)。
読売ジャイアンツの名称使用許可がおりなかったため(「『阪神が優勝する』と言う内容に巨人側が難色を示した」と言う説があるが、同じような「中日が優勝する」と言う内容のハリウッド映画「ミスター・ベースボール」には許可を出しているので実際のところは不明)、映画ではジャイアンツによく似た球団名「東京ガリバーズ」を使用している。
ちなみに、実際のルールでは出自不明のままプロ野球選手になることや、プロ野球選手の「二足のわらじ」(本作にあるような、昼は会社員、夜はプロ選手、という二股)は禁止されている。
また阪神が勝利した場合には翌日の初回上映が1800円から1000円になった。
2003年の夏以降、阪神の優勝が現実味を帯びてくると、同映画のDVDへの追加注文が増加した。