ムリファイン
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ムリファイン(Muhlifain)は、恒星の名前。ムリプフェイン、ムリフェイン(Muliphein)、ムリフェン(Muliphen)とも呼ばれる。アラビア語で「犬の頭」「星に誓う」「両人の偽誓への誘惑者」等の意味を持つ。へびつかい座γ星(γ Ophiuchi、γ Oph)、ケンタウルス座γ星(学名はγ Centauri、略称はγ Cen)、おおいぬ座γ星(学名はγ Canis Majoris、略称はγ CMa)に対して使われる。
[編集] へびつかい座γ星
学名はγ Ophiuchi(略称はγ Oph)。この星にどの意味をもって「ムリファイン」と名づけられたかは不明。3.75等星でスペクトル型はA0Ⅴ、距離100光年。
[編集] ケンタウルス座γ星
学名はγ Centauri(略称はγ Cen)。最もケンタウルス座は0等星のα星には「リギルケンタウルス」や「トリマン」、1等星のβ星にも「ハダル」や「アゲナ」という固有名があるにもかかわらず、それぞれ固有名ではなく「ケンタウルス座α星」や「アルファ・ケンタウリ」(以上α Cen)、「ケンタウルス座β星」「ベータ・ケンタウリ」(以上β Cen)と呼ばれることが多い。普通は固有名で呼ばれることが多い1.4等以上の明るい星でさえ固有名はあまり使われない星座であるから、2等星のγ Cenを「ムリファイン」と呼ぶのは非常にまれである。2.38等星でスペクトル型はA1Ⅳ、距離150光年。実はほぼ同じ明るさの白い2つの星(ともに2.9等星)が84.6年の周期で回りあっている実視連星であるが、角距離が小さいので(最も離れたときでも1.6秒)小口径の天体望遠鏡で分離することは不可能である。
[編集] おおいぬ座γ星
学名はγ Canis Majoris(略称はγ CMa)。元来この星は「ムリファイン」と呼ばれていなかったが、1800年にシチリア島にあるパレルモ天文台長ジュゼッペ・ピアッツィによって勝手に名づけられた。ピアッツィは「両人の偽誓への誘惑者」という意味で名づけたらしいが、おおいぬ座の頭に輝いているので「犬の頭」という意味と解釈されることも多い。4.07等星でスペクトル型はB8Ⅱ、距離400光年。
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