メジャーリーグサッカー
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メジャーリーグサッカー(Major League Soccer) はアメリカのプロサッカーリーグ。
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[編集] 歴史
アメリカのサッカーは1967年-1984年に「北米サッカーリーグ(NASL)」として開催し、ペレ、クライフ、ベッケンバウアーといったヨーロッパや南米の主力選手を擁して人気獲得を図ったが、アメリカ人選手の育成に失敗したため一旦本格的なプロ組織は解体し、プロサッカーの不毛の時代が12年間続き、1996年にメジャーリーグ・サッカー(MLS)が発足した。
1994年に同国で開かれたFIFAワールドカップの成功を背景に、1996年から10チームによるメジャーリーグサッカーとして再発足。当初は1995年発足の予定であったが、資金難のために開幕が1年遅れた。 1998年から12チームとなるが予算難から2002年に10チームに戻す。2005年度から新規の2チームを加え再び12チームに戻した。現状では下部リーグとの入れ替え制度は行われていない。
アメリカの場合、フットボールといえばサッカーよりもアメリカンフットボールが定番ということで、知名度は今ひとつである。また国際サッカー連盟 (FIFA) 規格(一般には105m×68m)よりもやや狭いアメフトのグランドを試合に使用することもあるというのもアメリカならでは事情もある。
また選手契約金の高騰を避けるため、新人選手は野球と同じくドラフト形式で選手を獲得。外国籍選手はリーグ主催団体と一旦契約した上で、各チームの戦力等を見計らって配属先となるチームを決定する独特の方式を採用している。2004年にワシントン・DCユナイテッドに入団したフレディー・アドゥー選手は同リーグの史上最年少出場選手記録(1989年生まれ・14歳 アメリカのプロスポーツマンを通してもこの100年で史上最年少)だけでなく、同大会の史上最高年俸・推定約5200万円、並びに史上最年少ゴールを達成して話題になった(現在協会から給与が支払われるシステムになっているが〈そのため給与が欧州に比べると高くなく、著名選手を獲得できていない理由のひとつとされている〉今後、試験的に協会からの給与のほかに出来高払いとして個人的にクラブからの褒賞を認める約束が出された。これによって著名選手がMLSに移籍してくるのではないかとされている)。
発足から10年が経つものの、まだまだ米国内での認知度は低い。しかし、急増するヒスパニック系移民による支持など新たな潮流も生まれ、アメリカにおけるサッカー熱の上昇とともに、MLSへのビジネスとしての注目も高まってきている。
また、元イングランド代表主将のMFデビッド・ベッカム選手(31)が、2007年8月からロサンゼルス・ギャラクシーに移籍する。5年契約で、ベッカムの総収入額は2億5000万ドル(約300億円)に達すると言われ、この移籍によりMLS低迷の打破が期待されている。
[編集] 参加チーム
特記なきチームは1996年の第1回大会から加盟
[編集] イースタン・カンファレンス
- レッドブル・ニューヨーク
- D.C. ユナイテッド
- シカゴ・ファイアー(1998年から参加)
- ニューイングランド・レボリューション
- コロンバス・クルー
- カンザスシティ・ウィザーズ(2004年度までウェスタン・カンファレンスだったが、新規参入の2チームが何れもウェスタン・カンファレンスに入るため2005年度からイースタン・カンファレンスに配置換え)
- トロントFC(2007年度よりイースタン・カンファレンスに参入予定)
[編集] ウェスタン・カンファレンス
- ヒューストン・ダイナモ(2005年まではサンノゼ・アースクエイクスで、本拠地移転)
- ロサンゼルス・ギャラクシー
- FCダラス
- コロラド・ラピッズ
- クラブ・デポルティボ・シーバス・USA(2005年度から新規参入 ロサンゼルスを本拠にする)
- レアル・ソルトレーク(2005年度から新規参入)
[編集] 過去に参加したチーム
- マイアミ・フュージョン(1998年参加、2001年撤退)
- タンパベイ・ミューティニー(2001年撤退)
[編集] 歴代優勝チーム
- 1996年 ワシントン
- 1997年 ワシントン
- 1998年 シカゴ(新規参入初年度で優勝する快挙)
- 1999年 ワシントン
- 2000年 カンザスシティー
- 2001年 サンノゼ
- 2002年 ロサンゼルス
- 2003年 サンノゼ
- 2004年 ワシントン
- 2005年 ロサンゼルス
- 2006年 ヒューストン
[編集] 試合方式
[編集] 年間の試合形態
- レギュラーシーズン
- 12チームを6チームずつに分けて基本的にホーム・アンド・アウェー方式で同一ブロックで4回、交流戦2回の32試合を行い、各組の1位チームを含めて勝ち点上位の8チームが決勝トーナメントにあたる「MLSカップ」にコマを進める。以前は東西の最下位チームを除く4チームずつ(8チーム)が進出していた。また10チームで行った時は年間30試合で開催する関係上(同一ブロック16試合、交流戦10試合)、試合数調整の意味合いで残り4試合は前年度の成績を加味して組み合わせを決めていた。
- MLSカップ
- レギュラーシーズンの上位8クラブによるトーナメント戦で、ホーム&アウェーの2試合で対戦し、1勝1敗の場合は2試合の総得点→その後PK合戦を行う体裁となった(以前は1勝1敗や2引き分けの場合は第3戦を実施していた)。決勝戦に限り中立地での1試合決着となっている。
[編集] MLSならではのルール制度
- カウントダウン方式 かつてのMLSではアメリカンフットボールやバスケットボールなどと同じ要領でロスタイム相当分をカウントしないできっちり45分ずつで試合が終了できるようにした「カウントダウンシステム」を採用したことがあった。これは後に1998年から国際ルールとしてFIFAが採用する「ロスタイム表示システム」(ロスタイムに相当する時間を1分刻みで計算する)を少し発展させたものだが、現在は採用しておらずFIFAのシステムをそのまま利用している。
- シュートアウト合戦 同じくかつてのMLSでは同点の場合は引き分けにしないでサドンデス方式のシュートアウト合戦を行っていた。これはPK合戦と同じくGKと攻撃者の1:1の対戦であるが、攻撃者はゴールから35メートルの地点からドリブルをし、一定の時間内にシュートを放ってもらうというものである。これも現在は採用しておらず、予選リーグではFIFAルールと同じ90分引き分け制併用のスタイルとなっている。
[編集] 下部組織相当のリーグ戦
これらはMLSは直接関与しておらず、基本的に独立リーグ(セミプロ組織)と同じ形を取っている。
- USL
- USASA
- PDL