メルセデスベンツ・C11
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メルセデスベンツC11は1990年世界スポーツプロトタイプカー選手権(WSPC)用にザウバーが製作したグループCカーである。
前年度のC9の発展型で、C9同様メルセデス製5リッターV8ツインターボM117を搭載する。モノコックはこのC11からカーボンモノコックを採用した。なおマシン名はこのC11から「ザウバー」が外れ「メルセデスベンツ」となった。
デビュー戦は1990年WSPC開幕戦鈴鹿だったが、予選でクラッシュし決勝は欠場(決勝にはC9で参戦)。実質デビューの第2戦のモンツァでは1-2フィニッシュを遂げ、以降参加した8戦中7勝とシリーズを圧倒し2年連続チャンピオンを獲得する。しかしシリーズから外れたル・マン24時間レースには参加しなかった。
翌1991年のスポーツカー世界選手権(SWC)のシーズン序盤、メルセデス陣営では熟成不足のカテゴリー1のC291と共に、カテゴリー2のC11も100kgのハンデを背負い参戦させた。この年シリーズに復帰したル・マンでは3台のC11を参戦させ、予選最速タイム(ポールポジションはカテゴリー1のプジョー905となる規則だった)をマークし、決勝でも序盤からレースをリードするもトラブルで後退し、優勝はマツダ・787Bにさらわれ5位に終る。このル・マンがC11の最後のレースとなった。なおこのレースではミハエル・シューマッハがファステストラップをマークしている。