モスクワは涙を信じない
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モスクワは涙を信じない Москва Слезам Не Верит |
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監督 | ウラジーミル・メニショフ |
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脚本 | ワレンチン・チュルヌィフ |
出演者 | ヴェーラ・アレントワ]] イリーナ・ムラヴィヨーワ アレクセイ・バターロフ ライサ・リャサーノワ オレグ・タバコフ |
音楽 | セルゲイ・ニキーチン |
撮影 | イーゴリ・スラブネヴィッチ |
編集 | イェレナ・ミハイロワ |
配給 | 東映ユニバース |
公開 | 1979年 ![]() 1982年1月 ![]() |
上映時間 | 140分 |
製作国 | ソ連 |
言語 | ロシア語 |
allcinema | |
IMDb | |
『モスクワは涙を信じない』(原題ロシア語:Москва Слезам Не Веритマスクヴァー・スリザーム・ニ・ヴィェーリト、ラテン文字転写の例:Moskva slezam ne verit;英題:Moscow Does Not Believe In Tears)は、1979年に製作されたソ連の映画である。脚本ワレンチン・チュルヌィフ、監督はウラジーミル・メニショフ。主演はメニショフの妻であるヴェーラ・アレントワと、アレクセイ・バタロフであった。
目次 |
[編集] あらすじ
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
1950年代後半から1970年代後半にかけてのモスクワを舞台に、田舎から出てきた3人の女性を描いた物語。彼女らは郊外のアパートで同室に暮らすことになり、やがて友人となっていく。エカテリーナ(ヴェーラ・アレントワ)は学位を取得しようと努力する傍ら、工場で働いている。彼女はあるパーティで、テレビ局のカメラマンをしていたルドルフと呼ばれる男(ユーリ・ワシエフ)と出会う。ルドルフはエカテリーナを誘惑し、やがて彼女は妊娠することになる。しかしルドルフには結婚の意志はなく、エカテリーナは幼子とともに取り残される。ルドルフの母(ソ連のエリートの一人)は彼女に対して、金と引き換えに息子と別れることを提案するが、エカテリーナは拒否する。
ここで映画は一気に20年の時を経過する。最初の場面では、エカテリーナが娘アレクサンドラ(成長後はナターリャ・ワヴィーロワが演じる)を生んですぐに移り住んだアパートで、涙を流しながら眠りにつくシーンが描かれる。やがてエカテリーナは目覚まし時計の音にたたき起こされる。彼女はいまだ未婚であるが、既に大工場の責任者となっている。彼女にはヴォロージャという名の年配の愛人(オレグ・タバロフ)がいるが、彼は既婚者であり、彼女は人生に何か不足を感じている。
ある晩、エカテリーナがダーチャから電車で家に戻ると、ゴーシャ(アレクセイ・バタロフ)と出会う。2人はお互いを見つめ始めるが、それは予期しないルドルフの訪問によってご破算となる。ルドルフはエカテリーナの工場における驚異的な生産率を報道するため、ニュース制作スタッフの一員として派遣されてきたのだった。ルドルフはかつての恋人エカテリーナと再会し、娘に対して償いをし、顔を見たいと願う。エカテリーナは自分が結婚する予定であり、電話もして欲しくない、家にも来ないで欲しいという。しかしルドルフはそれを聞き入れず、ゴーシャとエカテリーナ、アレクサンドラの3人が夕食を楽しむところに訪問する。彼は番組でのインタビューの話をし、その結果ゴーシャはエカテリーナが工場長であること、そして自分よりもはるかに高額な給与を得ていることを知る。いかなる形であれ女性が自分より上位にあることを認められないゴーシャは、混乱してその場を立ち去る。
その後しばらく、彼はエカテリーナに電話もよこさず、家を訪ねることもなかった。エカテリーナとかつてのルームメイトたちは、何かしなければならないと考える。アントニーナの夫ニコライ(ボリス・スモルチコフ)はゴーシャを探す算段を立てる。ニコライは酔っ払っているゴーシャを見つけて一緒に酒を飲み、エカテリーナの元に戻るようゴーシャを説得する。
映画の最終シーンはエカテリーナの家の台所である。ゴーシャはスープを飲み、エカテリーナは目に涙を浮かべながら彼を見つめている。8日間もの間音信不通にしていたことをわびるゴーシャに対し、エカテリーナはもっとずっと長い間ゴーシャを探していたのだと伝える。
[編集] 受賞・評価
この映画は、1980年度のアカデミー外国語映画賞を受賞した。翌1981年には、ソビエト連邦国家賞にも選ばれた。監督のメニショフは、アカデミー賞の受賞後までソ連政府からノミネートの事実を知らされていなかったという。[要出典]
アメリカのロナルド・レーガン大統領はソ連のミハイル・ゴルバチョフ大統領と会見する前、この映画を何回か鑑賞してロシアの心をより深く理解しようと務めたと言われている。[要出典]
[編集] 劇中曲
- ベサメ・ムーチョ
- セルゲイ・ニキーチンとタチアナ・ニキーチナによる作品
- Александра (アレクサンドラ)
- Диалог у новогодней елки (クリスマスツリーの下のダイアログ;A dialogue by the New Year's tree)
- クラウディア・シュルツェンコの作品
- Давай закурим (さあ、タバコをのもう;Davai zakurim / "Lets take a smoke")
[編集] 外部リンク
- ウラジミール・メニショフのインタビュー (ロシア語)
先代: ブリキの太鼓 |
アカデミー外国語映画賞 1980 |
次代: メフィスト |