ラファエル・フォン・ケーベル
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ラファエル・フォン・ケーベル(Raphael von Koeber, 1848年1月15日 ニジニ・ノヴゴロド - 1923年6月14日 横浜市)は東京大学で哲学を講じたドイツ系ロシア人である。
[編集] 生涯
ドイツ人の父を持ちロシアに生まれる。1893年(明治26年)から1914年(大正3年)まで21年間東大に在職し、ギリシア哲学などを教えた。美学美術史も、彼が初めて講義したものである。「ケーベル先生」と呼ばれ敬愛され、夏目漱石も講義を受けている。その他、教え子には岩波茂雄、阿部次郎、九鬼周造らがいる。
東京音楽学校(東京藝術大学)ではピアノも教えていた。1901年(明治34年)の日本女子大学校(日本女子大学)開校式のための「日本女子大学校開校式祝歌」はケーベル作曲という。1903年、日本におけるオペラ初演(オルフェイスの上演)の際、ピアノ伴奏を行った。
退職後の1914年に帰国予定であったが、第一次世界大戦勃発のため帰国の機会を逸する(漱石の『ケーベル先生の告別』『戦争から来た行違い』を参照)。1923年に横浜で亡くなり、墓所は雑司ヶ谷墓地である。
[編集] 著作
著作には哲学・美学・音楽分野など専門的なものもあるが、随筆集が最も有名。 晩年、『思潮』などの雑誌に発表し、Kleine Schriften(小品集)3巻として岩波書店から出版されたもので、 全3巻とも久保勉らによる日本語訳も出版された(『ケーベル博士小品集』、『ケーベル博士続小品集』、『ケーベル博士続々小品集』)。 これらは当時の学生たちに感銘を与え、原文の抜粋は高校・大学でドイツ語の教科書としても使用された。 他に『ケーベル博士随筆集』がある。これは『ケーベル博士小品集』からの再録を中心とし、スピーチや書簡など若干の新しい内容を加えたもの。
[編集] 外部リンク
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