リチャード・ライト (音楽家)
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リチャード・ライト(Richard Wright, 1945年7月28日 - )は、イギリスのロンドン出身のミュージシャン、キーボーディスト。また、ボーカリストもこなす。1967年にプログレッシブ・ロック・バンド、ピンク・フロイドのオリジナル・メンバーとしてデビューした。通称は「リック (Rick)」。
世界的ビッグ・バンドであるピンク・フロイドの中では地味な存在であるが、初期フロイド・サウンドにおいてライトのキーボード、メロトロン、シンセサイザーの類の演奏は大きな役割を果たしていた。特に、シド・バレット脱退直後の作品群では、ロジャー・ウォーターズと共に楽曲制作で中心となっていた。ライトの代表作である「虚空のスキャット」は、彼のセンスが如実に表れた傑作である。
しかし、70年代中盤以降はバンド内での存在感が薄くなっていく。特に、リーダーシップを執っていたロジャーとの対立は大きく、1979年発表のアルバム『ザ・ウォール』の制作時に解雇される事態にまで発展した。(その後の「ザ・ウォール・ツアー」にはサポート・メンバーとして参加している。その為、同ツアーで出た莫大な赤字に対する支払いをこうむる事はなかった。)
バンド脱退後は、元ファッションのデイヴ・ハリスと共にZEEを結成するが上手くいかず、ドラッグに溺れていく。
しかし、1987年にデヴィッド・ギルモアとニック・メイスンがピンク・フロイドを再始動させ、アルバム制作後半になってバンドに復帰する。1994年発表のアルバム『対』にも正式メンバーとして参加し、楽曲も制作している。
その後、2002年初頭のデヴィッド・ギルモアのツアーに参加する。また、2006年発表のギルモアのソロ・アルバム『On An Island』にゲスト参加、発売直後のツアーにも参加する。
ソロの活動としては、1978年『Wet Dream』と1996年『Broken China』の2枚のアルバムを発表している。
[編集] ディスコグラフィ
- 『ウェット・ドリーム』 Wet Dream (1978)
- 『ブロークン・チャイナ』 Broken China (1996)
- 『アイデンティティ』 Identity (1984) *デイヴ・ハリスとのプロジェクトZEE名義