リベット
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リベットは複数枚の板状のものを束ね固定する鋲の一種である。リベットは円筒状の本体の片側にやや直径の大きい頭がついており、対象物の穴に通したあと反対側も同様の形状につぶすことで固定する。同様の目的に用いるねじ、釘と異なり容易には取り外しができず、半固定的な用途に適する。
頭の部分の形状は各種あり、半球形のものは丸リベット、釘に似た平たい円錐形の皿リベット、円盤状の平リベットなどがある。一般に金属製が多いが、用途によりプラスティックのものもある。
大きいものではトラス橋などの鉄橋、鉄塔などの建造物の鉄板、鉄骨の接合に用いられ、小さいものではナベ、ヤカンなどの本体と取手の接合に用いられているのを見ることができる。前者の例で用いられるようなものは、リベットを赤く熱しリベットハンマーと呼ばれる専用工具により接合する。初期の戦車では装甲板をリベット接合していたが、被弾時に衝撃でリベットが飛び散って乗員や随伴歩兵を殺傷する危険が生じた為、溶接接合に移行している。また皿リベットはリベットの頭部と接合部材が同一面になるので航空機の外板等、空気抵抗等を考慮する箇所に使用される。また、一昔前の鉄道車両やバス車両もリベットを使用していた。
接合する対象は必ずしも金属とは限らず、帆布などの厚手の布や、皮革の接合にも用いられる。例としてはジーンズのポケットや鞄などである。衣料用の場合、装飾目的でリベットを打つ場合もある。
また、小型で穴の開いた筒状のリベットははとめ(鳩目・ハトメ)という。靴のひもを通す部分やベルト、あるいは書類を束ねて簡易な製本を行うための事務用品として使われる。留めた時の形状が鳩の目に似ることからこう呼ばれる。材料は、アルミニウムや真鍮である。