ロング・アンド・ワインディング・ロード
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ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード(The Long And Winding Road)は、ビートルズ後期の録音で、1970年に発表されたラストアルバム『レット・イット・ビー』の収録曲でポール・マッカートニー作。アメリカ合衆国と日本ではこの曲がラスト・シングルとして発表されている(1970年10月、B面は「フォー・ユー・ブルー」)。
彼らのドキュメント映画のサウンドトラックとして録音された同アルバムは、数ケ月のお蔵入りの後、最終的にフィル・スペクターがプロデュースし、発表=商品化となった。その前段階で、この曲にはオーケストラと女声コーラスが無断でダビングされ、その後このアレンジを巡って、作曲者のポール・マッカートニーとわだかまりを生じる結果となった(事実、ポールが「Q MAGAZINE」のアワードでフィルが選ばれたとき、その会場で「早く帰らないとフィルにコーラスとストリングスをダビングされちゃうよ~」という辛口ジョークをかましたことがある)。
『ザ・ビートルズ・アンソロジー3』及び『レット・イット・ビー...ネイキッド』に、当初ポールが主張したバンドのメンバーだけの演奏による、同曲の(別々の)バージョンが収録されている。なお、後者は映画『レット・イット・ビー』の演奏(1969年1月31日の室内ライブの演奏)から取られているが、途中の歌詞"Anyway you never know"が、"Anyway you always know"に変えられており、プロデューサーはこの歌詞がポールの最終意思と判断してこのまま収録した。
また、ポール自身のウィングス時代のライヴでも、この曲の本来の姿であるアコースティック版が幾度か披露されている。しかし、1989年以降のソロ・ライヴでは、ヒットしたフィル・スペクター・ヴァージョンに愛着を持つファンに配慮してか、シンセサイザーによってストリングスとブラス・セクションが控えめではあるが再現された演奏になった。
ポールはソロでこの曲のスタジオ再録音源を2回発表している。1回目は1984年にポールのソロアルバム『ヤァ!ブロード・ストリート』に、同名の映画のサウンドトラックとして再録したヴァージョンで、2回目はアルバム『フラワーズ・イン・ザ・ダート』の、1991年に発売された来日記念特別盤『スペシャル・パッケージ』に収録された"ヴィデオ・ヴァージョン"である。