三毛猫ホームズシリーズ
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三毛猫ホームズシリーズ(みけねこ―)とは、赤川次郎作の、推理小説のシリーズである。赤川次郎特有の読み易さと、猫が主人公であるストーリーの奇抜さから、現在も新刊が刊行される人気シリーズである。既に本家シャーロック・ホームズシリーズを凌ぐ本数になった。辻真先の迷犬ルパンシリーズの主役の面々と競演したこともある。
雑誌に連載した後、「カッパ・ノベルス」で刊行され、後に光文社文庫、さらに二次文庫として角川文庫に入る。
目次 |
[編集] 主な登場人物
- ホームズ
- 第1作で飼い主が殺されたため、片山家で飼われることになった三毛猫。事件現場では、まるで自分で推理して片山たちに事件の重要な何かを教えようとしているともとれる奇妙な行動をとる。アジの干物が好物。雌であるが、病気のため子宮を摘出されており出産は出来ない。そのためか、非常に落ち着いた雰囲気を持っている。赤川次郎が以前飼っていた雌の三毛猫「ミーコ」がモデル(カッパノベルス版『三毛猫ホームズの推理』のカバーに著者とともに写真が掲載されている)。
- 片山義太郎
- 29歳。細身で180cm以上の長身。警視庁捜査一課の刑事でありながら、血が苦手で高所恐怖症・女性恐怖症という性格。ただし、女性恐怖症に関してはある事件で知り合い恋仲となる桜井マリなど一部例外はある。女性恐怖症かつ本人曰く「俺はモテない」にも関わらず、事件に関わった女性に好かれることが多い(ただし、最後はフラれたり、また諸事情によって片山の周りから消えてしまう)。両親はすでに他界しており、妹の晴美と二人暮し。事件現場でのホームズの様々な行動から事件の謎を読み解く。
- 片山晴美
- 22歳。義太郎の妹で、ホームズの飼い主。ホームズを連れて事件調査に乗り出すなど、行動的。兄とは正反対で、小柄。石津は晴美にベタ惚れであるし、『三毛猫ホームズの卒業』では兄の同級生の久米にデートを申し込まれるなど、もてるようである。第1作『三毛猫ホームズの推理』では、義太郎とも交流の深いとある男性の子供を堕胎しており、シリーズ初期に置いてはどこか影のあるイメージの存在であった。『追跡』や『怪談』、『騎士道』、『四季』など、いくつかも作品では事件に深入りし何度も死にかけているが、全く懲りていない。
- 石津刑事
- 25歳。第2作『追跡』から登場。晴美の「自称」恋人で、目黒署刑事課の刑事。180cm近い長身で体格がよく、怪力の持ち主。気が優しく、馬鹿正直で食いしん坊。頭を使うことは苦手だが、『三毛猫ホームズの騎士道』では、城主の部屋を調べた時、最初に見た時と比べて、いくつかの武器がなくなっていることを片山や晴美より早く見抜き、無くなっている武器を全て言い当てたことから、意外と記憶力はいい。幼い頃に映画で見た化け猫のトラウマのせいで体に似合わず猫恐怖症である。ただし晴美にベタ惚れなためか、ホームズには慣れてきている。晴美と結婚することを見越し、新興住宅地に立派なマンションを購入している。小説では苗字のみで本名不明。
- 栗原警視
- 第2作『追跡』から登場。警視庁捜査一課の課長。片山の上司。片山達のよき理解者でもある反面、わがままが昂じて苦労をかける面も。絵画が趣味だが、お世辞にも上手いとは言えない。美術展に幾度となく出品している。片山や晴美も無理矢理誘われて、いつも断れない。片山から辞表を受け取っているが黙殺している(引き出しにしまいこんでどこかにやってしまったり、メモがわりに使って捨ててしまったりして、毎回紛失してしまう)。
- 根本刑事
- 警視庁捜査一課の刑事。片山の先輩。
- 南田検死官
- 殺人事件があると飛んでくる。必ず余計な話をしてからでないと、肝心な話をしない。
- 児島光枝
- 片山兄妹の叔母で、両親を失った二人の母親代わりを自任している。世話好きで、仲人をつとめることが生き甲斐。いつも義太郎に見合い話を持ってくるが、当の義太郎は迷惑に思っている。晴美の見合い話を持ってくる場合もある。
[編集] シリーズ作品リスト
[編集] 長編
- 三毛猫ホームズの推理
- 三毛猫ホームズの追跡
- 三毛猫ホームズの怪談
- 三毛猫ホームズの狂死曲(ラプソディ)
- 三毛猫ホームズの駈落ち
- 三毛猫ホームズの恐怖館
- 三毛猫ホームズの騎士道
- 三毛猫ホームズの幽霊クラブ
- 三毛猫ホームズの歌劇場(オペラハウス)
- 三毛猫ホームズの登山列車
- 三毛猫ホームズの騒霊騒動(ポルターガイスト)
- 三毛猫ホームズの四季
- 三毛猫ホームズの黄昏ホテル
- 三毛猫ホームズの犯罪学講座
- 三毛猫ホームズのフーガ
- 三毛猫ホームズの傾向と対策
- 三毛猫ホームズの心中海岸
- 三毛猫ホームズの安息日
- 三毛猫ホームズの世紀末
- 三毛猫ホームズの正誤表
- 三毛猫ホームズの失楽園
- 三毛猫ホームズの四捨五入
- 三毛猫ホームズの大改装(リニューアル)
- 三毛猫ホームズの最後の審判
- 三毛猫ホームズの花嫁人形
- 三毛猫ホームズの仮面劇場
- 三毛猫ホームズの卒業論文
- 三毛猫ホームズの降霊会
- 三毛猫ホームズの危険な火遊び
- 三毛猫ホームズの暗黒迷路
[編集] 短編集
- 三毛猫ホームズの運動会
- 三毛猫ホームズのびっくり箱
- 三毛猫ホームズのクリスマス
- 三毛猫ホームズの感傷旅行
- 三毛猫ホームズと愛の花束
- 三毛猫ホームズのプリマドンナ
- 三毛猫ホームズの家出
- 三毛猫ホームズの<卒業>
- 三毛猫ホームズの好敵手(ライバル)
- 三毛猫ホームズの無人島
- 三毛猫ホームズの暗闇
- 三毛猫ホームズの恋占い
- 三毛猫ホームズの戦争と平和
[編集] その他
- アンソロジーに収録されている短編作品
- 三毛猫ホームズの水泳教室
- 三毛猫ホームズの英雄伝説
- 三毛猫ホームズの殺人協奏曲
- 三毛猫ホームズの四捨五入
- 三毛猫ホームズと落書き
[編集] テレビドラマ
三毛猫ホームズシリーズは過去何回かドラマ化されている。
[編集] 土曜ワイド劇場
1979年~1984年放送(「土曜ワイド劇場」枠)
原作と違い、ホームズ、片山義太郎とその恋人吉塚雪子が事件の謎に迫る設定に変更されているため、シリーズ中に片山晴美と石津刑事は登場しているもののストーリーにはあまり絡んでいない。
№ | タイトル | 放送日 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | 三毛猫ホームズの推理 | 1979年12月1日 | |
2 | 三毛猫ホームズの追跡 | 1980年6月14日 | |
3 | 三毛猫ホームズの怪談 | 1981年5月16日 | |
4 | 三毛猫ホームズの狂死曲 | 1982年12月25日 | 唐沢寿明(当時は唐沢きよし)がコンクール出場者の一人である大野役でエキストラ出演している |
5 | 三毛猫ホームズの運動会 | 1983年5月14日 | |
6 | 三毛猫ホームズの駆落ち | 1984年12月22日 |
[編集] 火曜ミステリー劇場
1989年~1991年に放映(「火曜スーパーワイド」「火曜ミステリー劇場」枠)
№ | タイトル | 放送日 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | 三毛猫ホームズの結婚披露宴 | 1989年9月26日 | 原作タイトルは「三毛猫ホームズの披露宴」 |
2 | 三毛猫ホームズの感傷旅行 | 1990年8月7日 | |
3 | 三毛猫ホームズの駈落ち | 1991年4月23日 | 「土曜ワイド劇場」版最終作のリメイク作品 |
[編集] その他
タイトル | 放送日 | 片山義太郎 | 片山晴美 | 石津刑事 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
三毛猫ホームズの推理 | 1996年9月23日 | 陣内孝則 | 葉月里緒奈 | 登場せず | 大林宣彦監督作品 |
三毛猫ホームズの黄昏ホテル | 1998年2月21日 | 陣内孝則 | 宮沢りえ | 竹内力 | 大林宣彦監督作品 |
三毛猫ホームズの犯罪学講座 | 2002年12月28日 | 原田龍二 | 飯田圭織 | 登場せず | 「モーニング娘。サスペンスドラマ スペシャル」の1本として放映 |
[編集] ゲーム
カテゴリ: 日本の小説 | 文学関連のスタブ | テレビ朝日のテレビドラマ | 土曜ワイド劇場 | 動物を主人公にした物語