上砂川支線
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上砂川支線(かみすながわしせん)は、国鉄・北海道旅客鉄道(JR北海道)がかつて保有していた函館本線の支線の通称である。
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[編集] 路線データ
[編集] 概要
当初は、三井鉱山合名会社が保有する三井砂川炭鉱からの石炭輸送を行うために敷設された専用線であったが、後に国有化され函館本線に組み込まれた。
国鉄再建法に基づく特定地方交通線(閑散ローカル線)の廃止が進められた時は、同じく砂川駅から分岐していた運炭路線の歌志内線が独立した線名を有していたため廃止対象路線となったのに対して、上砂川支線は当時から歌志内線よりも旅客の輸送密度が低かったにも関わらず、「函館本線の一部」として輸送密度が計算されたため、特定地方交通線はおろか地方交通線にも指定されず、幹線として存置された。しかしJR発足後、炭鉱の閉山の影響も受けて廃線となった。
廃止前から、北海道中央バスが既に並行して多くのバスを運行していたため、代替交通機関は設定されなかった。
[編集] 運行概要
1959年5月1日の運行本数は19往復
1986年11月1日改正時の旅客列車
- 運行本数:日6往復(6、7、14、16、18、20時台に運転)
- 所要時間:全線下り16分、上り13分
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- 末期の上砂川行始発列車は下鶉、東鶉を通過していた。
[編集] 使用車両
民営化後しばらくの間、朝ラッシュ時にはキハ56+27の2両編成、それ以降はキハ54形500番台を使用。後にキハ54がキハ40形100番台に置き換えられた。ワンマン化以降はキハ22形700番台が使用され、末期はキハ40形700番台が使用された。なお、ワンマン化後の車両は苫小牧運転所の所属である。
[編集] 歴史
- 1918年11月 三井鉱山の専用線として開業
- 1926年8月1日 国有化して函館本線に組み込み、旅客営業開始。この時の駅は上砂川のみ
- 1948年12月1日 鶉仮乗降場設置
- 1953年10月1日 鶉仮乗降場を駅に昇格
- 1959年5月1日 下鶉仮乗降場設置、旅客列車の気動車化並びに客貨分離運転開始
- 1959年12月18日 下鶉仮乗降場を駅に昇格し、同時に東鶉駅開設
- 1975年11月4日 D51形603号機による運行を持ってSL運転廃止
- 1984年6月 上砂川駅でドラマ「昨日、悲別で」のロケ開始
- 1987年3月 貨物列車の運行終了
- 1987年4月1日 国鉄分割民営化により北海道旅客鉄道の路線となる
- 1990年3月10日 ワンマン運転開始
- 1992年4月1日 日本貨物鉄道の第二種鉄道事業廃止
- 1994年5月16日 廃線
[編集] 駅一覧
砂川駅の上砂川支線ホームは、かつて多くの側線があった時代の名残で函館本線のホームから離れた場所に位置しており、長い跨線橋で連絡していた。