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国鉄D51形蒸気機関車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

D51形蒸気機関車(D51がたじょうききかんしゃ)は、日本国有鉄道(国鉄)の前身である鉄道省が設計したテンダー式蒸気機関車である。

主に貨物輸送のために用いられ、1形式として最も量産された日本を代表する蒸気機関車で、総生産両数は1,115両であり、ディーゼル機関車電気機関車などを含めた機関車の1形式の両数では日本最大の記録である(この記録は現在も他の車両に更新されていない)。

デコイチ(又はデゴイチ)の愛称は有名で、蒸気機関車の代名詞にもなった。

D51 170(2005年7月、肥薩線矢岳駅にて撮影)
D51 170(2005年7月、肥薩線矢岳駅にて撮影)
D51 720(2004年5月、瀬野川公園にて撮影)
D51 720(2004年5月、瀬野川公園にて撮影)
D51 720、側面(2005年4月、瀬野川公園にて撮影)
D51 720、側面(2005年4月、瀬野川公園にて撮影)
D51 720、後部(2005年4月、瀬野川公園にて撮影)
D51 720、後部(2005年4月、瀬野川公園にて撮影)
「ナメクジ型」のD51 8(2006年6月、大物公園にて撮影)
「ナメクジ型」のD51 8(2006年6月、大物公園にて撮影)
船橋市の薬円台公園内にあるD51(2006年10月1日撮影)
船橋市の薬円台公園内にあるD51(2006年10月1日撮影)

目次

[編集] 誕生の背景

恐慌による輸送量の低下は貨物用機関車の新規需要を失わせ、数年の間新製が見合わされて来た。しかし、その後景気が好転し、輸送量の回復傾向が顕著になって来たため、再び貨物用機関車が製造される事になった。そこで、C11形ボイラーで実用化された電気溶接技術を応用し、1936年にD51形が生み出された。

[編集] 構造

母体となったのはD50形で、その性能はほぼ同一である。使用圧力の向上など細かな改良により、牽引力の若干の増大を図っている。また、軸重を軽減し、全長の短縮などを施して地方線区でも使用ができる様にされた。電気溶接の全面的な採用と共に動輪輪芯は箱型化され、形態的にはC57形に近いと言える。

初期に製造された95両(正確には1~85・91~100号機)は上部のドームの覆いが長く、その形状からナメクジ型」(「D51半流線形型」と呼ばれる場合もある)と言われている。また、22・23号機はドームが運転台まで延びているため「おおナメクジ」「スーパーナメクジ」と呼ばれている。因みに23号機はキャブ側面にタブレットキャッチャーを、ランボード上にナンバープレートを装着していた。なお、両機は後に通常の「ナメクジ型」に改装されている。

ナメクジ型は集煙装置が構造上取り付けられないため、配置が区別されており、通常型へ改造された例も見られる。なお、これはファンの間での通称であったが、後に初期型D51を区別する呼称として国鉄内部でも用いられた。

戦時中の後期に製造された車両は、D52形と同様に木材などの代用材を多用したり、炭水車の台枠が省略されたり工作を簡略化するなどの戦時設計となっている。しかし、戦後ボイラー爆発など事故が多発し、乗務員に「爆弾を抱えて運転する気分」などと評された。戦後、これらの車両は性能の標準化が行われたが、炭水車の形状などに特徴が残った。

[編集] 主要諸元(101号機以降の標準型)

  • 全長 19,730mm
  • 全高 3,980mm
  • 車輪配置 1D1(ミカド)
  • 動輪直径 1400mm
  • シリンダー(直径×行程) 550mm×660mm
  • ボイラー圧力 15kg/cm²
    • 火格子面積 3.27m²
    • 全伝熱面積 168.8m²
    • 付熱全面積 221.5m²
    • 過熱伝熱面積 41.4m²
  • ボイラー水容量 6.0m³
  • 機関車運転重量 78.37t
  • 動輪軸重(最大) 14.30t
  • 炭水車重量 47.40t
  • 機関車性能:
    • 動輪周馬力 1,280PS

[編集] 製造

量産を進めている段階で国内情勢が戦時体制へと突入し、本形式に対する需要が非常に大きくなったため、国内の大型機関車メーカー及び主要国鉄工場の大半が製造に参加し、1936年から1945年までの間に1,115両もの多数の車両が製造される事となった。この両数の多さがD51形への信頼感の大きさを表している。

なお、以下の8両については、国鉄による発注ではなく、同一形態機を持っていた私鉄が買収されたり、本土外からの発注によるものが戦争激化により輸送できず国鉄に引き取られるなどして、国鉄機となったものである。

  • D51 864・865 恵須取鉄道(樺太)より買収
1944年に未成のまま買収された樺太の孤立鉄道より編入したもので、製造時より密閉キャブであったのが特徴。
内地私鉄がD51を新造した唯一の事例。形態は一般型と変わりはない。
  • D51 1161 日本窒素より購入
海南島で使用されるために製造されたものの、発送できなかったものを国鉄が購入した。戦時型。D51全体で見ても唯一の1945年製で、一説によると特殊な工作方法が採用されていると言われる。 

他に、台湾総督府鉄道D51 28~32が制海権喪失で発送できず、一時的な措置としてD51 1162~1166として使用された。これらは1947年になって輸出され、台湾鉄路管理局DT678~682となっている。これらはD51 1001~1161と同じ戦時型で性能面で劣るため、使用晩期はボイラ圧力が12kg/cm²と制限されていた。

また、955~1000番は欠番となっているが、戦時型を1001番から付番し番号面で区別したためである。つまり、戦時型が1000番代と言える。

[編集] 戦後の改造機

戦後、貨物用機関車が余る様になった事で旅客用機関車は不足したが、GHQの命令で機関車の製造が不可能な状況にあった。そのため、1948年に本形式のボイラーを活用し、C57形相当の下回りと組み合わせたC61形旅客用機関車が33両登場している。性能的にC57形に近く、共通の運用に就く事が多かった様である。

また、1960年には地方線区への転用のため6両に軸重軽減の改造が施され、新形式のD61形となっている。

その他にもD51形は使用線区の事情に応じて様々な改造が施され、北海道ではオープンキャブから密閉キャブへの改造、長野では砂撒き管の増設が行われた。その他にも重油混焼装置やATS用発電機の設置、副灯の設置、さらには変形(切り取り式)デフや集煙装置の装備(変形デフや集煙装置の形状は担当工場ごとに細かく異なる)など、変化のバリエーションは多い。その中でも北海道で活躍したD51 54はナメクジ型ながら標準型の風貌(サンドボックスを煙室付近より切断し、その部分より前方を標準型に改装、)を持つ事で知られた。この機関車は異質な改修であったため、写真愛好家からは敬遠されたものの、地元では「オバQ」という愛称で呼ばれ、愛された機関車であった。

[編集] 活躍

全国に普及し、至る所でその姿は見られた(但し四国では土讃本線限定で使用)。貨物用のため、どちらかというと地味な存在だったが、中央本線(中央東線・中央西線共に)や函館本線の”山線”区間(長万部~小樽間)などの様に急勾配区間の多い路線では、急行をはじめとする優等列車を含む客車列車の牽引に使われた車両も多く、羽越本線などの様な平坦路線でも客車列車牽引に使われた例があった。D51形は軸重が重いため、多くは本線の客車を牽引した。中にはお召し列車を牽引するなど栄誉ある役目を果たした車両もある。

貨物列車の牽引に優れた性能を持ち、特に夕張線(現・石勝線)~室蘭本線では、夕張方面の炭鉱から室蘭港へ向かう3,000tの貨物列車を単機で牽引する運用をしていた事もあった。夕張方面の炭坑から追分駅を経て苫小牧駅付近までの片勾配の下り坂区間において長大なセキを引き出しさえすれば、後は室蘭港まで平坦な路線であったため、低速時の牽引力を持ち重量貨物の引き出し能力に優れていたD51形には可能だったのである。他にもディーゼル機関車DD51形はD51形を置き換えるために開発された機関車であるが、D51形が単機で牽引できていた貨物列車を、重連でないと牽引できないという例が無煙化後全国で多く見られた。

電化やディーゼル化の影響による余剰廃車が本格的に出始めたのは1967年頃からの事で、蒸気機関車の最後の時期まで多くの車両が残っていた。特に1960年代から1970年代にかけて石北本線東北本線奥羽本線伯備線などの急勾配区間において重連や3重連などで活躍する姿は当時の「SLブーム」の波に乗り、鉄道ファンや写真家、マスコミ関係者などの間で大変な人気を集めた。また、羽越本線をはじめとする日本の原風景が残っていた線区を走る雄姿を撮影する鉄道ファンの姿も多かった。しかし、製造両数が多い事もあって、当然蒸気機関車の中でも残存両数が多く他の機関車よりもたくさん見る事ができたため、鉄道撮影を主とするファンの中には他の機関車が来る事を期待して、D51形が来ると「またD51か」とため息を漏らす者も多く居たという。

最後に残ったのは北海道の追分機関区に所属していた数両で、C57 135牽引の国鉄最終蒸機牽引旅客列車運転から10日後の1975年12月24日まで使用され、この日は241号機が担当した。これが国鉄における蒸気機関車牽引の最終貨物列車(夕張線6788列車)並びに国鉄最後の蒸機本線走行となった。

これらの国鉄蒸気機関車の有終の美を飾った追分区のD51形たちは、地元、追分町(現・安平町)(241号機)や東京都台東区上野の国立科学博物館(国鉄工場最終出場蒸気機関車603号機)など各地に保存が決定していたが、1976年3月14日深夜に発生した追分機関区扇状庫火災により、国鉄最後の蒸気牽引入れ換え運用機79602号機や配属されたばかりの新鋭ディーゼル機関車(DD51形)8両と共に4両(241・465・603・1086号機)が焼失した。現在、安平町の鉄道資料館には旧追分機関区の機関庫の火災で焼失した当初の静態保存予定機である241号機他の代わりとして、小樽築港機関区や追分機関区などで活躍した320号機(これは本来静態保存を予定していなかったが、上記に記した様に旧追分機関区の扇形庫の火災により、消失した241号機他の代替として急遽静態保存機となった。)が静態保存されている。

海外では、台湾でDT650型として37両が活躍した。台湾は戦後国連の援助で1951年5両(DT683〜DT687)を購入しており、これらは最後に製造されたD51となった。台湾で使用されていたものは既に全車引退しているが、うち4両が静態保存されている。また、サハリン(旧:樺太)向けにも製造され活躍した。またサハリンで使用されたものは引退後6両(1・2・23・25・26・27)が帰国し、各地に保存されている他、現地でも4号機が観光列車として運行されている。

[編集] 引退後のD51形

蒸気機関車の代名詞でもあったD51形は、引退後実に178両が全国各地の鉄道保存展示施設博物館公共施設学校公園などで静態保存される事となった。そのうち187号・488号・745号の3両は準鉄道記念物に指定されている。因みに1号機及び200号機は京都市梅小路蒸気機関車館に保存されている。

[編集] 動態保存

[編集] JR東日本 498号機

D51 498(2006年3月26日 水上駅)
D51 498(2006年3月26日 水上駅)
D51 498のATSはP形・Ps形どちらも搭載(2006年12月24日 水上駅)
D51 498のATSはP形・Ps形どちらも搭載(2006年12月24日 水上駅)
D51 498の運転室内にあるP形・Ps形の表示器(2007年3月15日 村上駅)
D51 498の運転室内にあるP形・Ps形の表示器(2007年3月15日 村上駅)
D51 498「SL村上ひな街道号」(2007年3月18日 新発田駅)
D51 498「SL村上ひな街道号」(2007年3月18日 新発田駅)
D51 498「SL南房総号」(2007年2月12日 富浦駅)
D51 498「SL南房総号」(2007年2月12日 富浦駅)

1940年11月24日鷹取工場にて落成し、鷹取から近い岡山機関区に新製配置した。後に吹田(1951年8月~)→平(1953年12月~)→長岡第一(1963年10月~)→直江津(1965年4月~、配置替えではなく貸し渡し)→新津(1966年3月~)→坂町(1972年3月~)と各機関区を転々としていた。1972年10月に鉄道100周年記念で八高線にて運行されたイベント列車の牽引を最後に運用から外れた。なお、配置は坂町機関区のままで、高崎第一機関区には貸し渡しとされている。その後、12月1日に廃車となったが、同日に群馬県利根川郡月夜野町(現:利根郡みなかみ町)に貸与される事が決定し、4日後の5日上越線後閑駅前にて静態保存された。

国鉄分割民営化後の1987年10月、JR東日本では「地域密着」をテーマに「蒸気機関車を復活して走らせよう」との動きがあった。折から横浜の「みなとみらい21」地区で、1989年に開催する「横浜博覧会」から品川~博覧会会場間をSL列車で運転したいと正式に申し入れがあり、これに間に合わせるためSLの復元計画がJR東日本内で正式に決まった。これにより、関東に保存されている様々な静態保存機をリストアップし、調査の結果、交通博物館に保存されていたC57-135とこのD51-498が一番良く整備されている機関車である事が分かった。JR東日本は地域密着を図るべく、蒸気機関車の代名詞的存在であり、最もポピュラーな「デゴイチ」を走らせる事が最も効果的であるという意見の下、このD51-498の復元が決定した。1988年3月に復線し高崎運転所へ回送、6月に大宮工場(現:大宮総合車両センター)へ入場(分解の上陸送)し、動態復元に向けた大掛かりな復元工事を11月25日までに完了して動態保存機として車籍編入され、同日付で正式に高崎運転所に転属となっている。復元に際し、できるだけ原型に近付けるためにヘッドライトの変更(LP403→LP42)、デフレクターバイパス弁点検口の閉口、キャブ屋根延長部の切除、蒸気ドーム前方手摺りの小型化、テンダー車重油タンクの小型化などの工事も行われている。また、ボイラー保護のため使用圧力を所定の15kg/cm²から14kg/cm²に下げて使用されている。

当初予定されていた「横浜博覧会」での運転は諸事情により中止となったが、その代わりに当時来日が予定されていたオリエント急行のラストランに合わせ、上野→大宮間で当該列車を牽引し、復活記念の運転を行う事が決定された。1988年12月23日、お召し機関車であるEF58-61を後ろに従え、前部補機として先頭に立ち復活をアピールした。この運用に限り、テンダー側面にはオリエント急行に使用されているワゴン・リ客車の側面エンブレムを模した特別塗装が施されていた。秩父鉄道C58-363は一時期、この特別塗装を真似ている(テンダーの飾りなど)。

その後は主に上越線の「EL&SL奥利根号」を中心に、毎年2月運転の磐越西線「SL磐梯会津路号」、釜石線「SL銀河ドリーム号」や北上線「SL錦秋湖号」など様々なイベント臨時列車に起用され、東日本全域で活躍している。特に近年注目的なのは、現役時代の縁の地:新潟地区にもC57-180の代行運転などとしても使用される事などが挙げられる。また、イベント列車以外でも高崎運転所(現:高崎車両センター高崎支所)構内の他、「EL&SL奥利根号」の使用区間の上越線高崎~水上間や「SL碓氷号」の信越本線高崎→横川間において蒸気機関車運転士育成のための実車訓練にも使用されている。

なお、1989年には上越線では当時高崎駅構内のみに導入されていた保安装置(ATS-P型)へ対応するため、動態復元工事の際に重油タンク設置と同時にテンダー後部にATS-P型の電源が追設され、本務機関士席の加減弁の上にATS-Pの表示機が設置された(ATS-P型はその後首都圏全域に導入範囲が拡大された)。あまり知られていないが、8月31日にはATS-P型が全線に導入されていた京葉線の蘇我~新木場間で「SLコニカ号」として運転されたという実績もある。さらに、近年仙台地区と新潟地区に普及している保安装置に対応するべく、2006年12月にはATS-Ps型も追加装備された。これらは現存する蒸気機関車では唯一の装備であり、保安装置という観点からは最も広範囲の走行が可能な動態保存機となっている。最近では、2007年2月に「ちばディスティネーションキャンペーン」の一環として千葉県内房線で運転され、沿線住民を歓喜させた「SLちばDC号」及び「SL南房総号」でも設置されている保安装置の関係からATS-P装備の同機が使用されている。3月18日に運行された「SL村上ひな街道号」でも、ATS-Ps設置区間であることから同機が使用された。

また、D51形の迫力をさらに向上させるため、スノープロウの常時取り付け(1998年~)やヘッドライトのヒサシ(2002年~)が追加されている(ヒサシ追加の際、ヘッドライト自体も別形式の物に交換している)。正面のナンバープレートは復活時には赤地に金抜き文字で形式入りの大型のものであったが、1996年頃に形式のない原型ナンバープレートに取り替えられた。その後、赤や緑のものや青地に白抜き文字のものなど何種類かのナンバープレートを取り付けた姿も過去に数回見受けられた。赤は奥利根10周年の1999年と15周年の2004年、緑も同じく2004年に実現。青プレートは、2003年の「ELSLみなかみ物語号」で実現した(かつて中央本線で活躍していたD51形でも青プレートが実在した)。

汽笛の音色は復活以来5回以上に渡ってチューニングが変更がされている。2回目のチューニング変更では、乗車時のD51の力強さを表現した。3回目の調整では1996年は前側が甲高くその分後ろ側は更に力強さが増したが、これが好評で2004年1月まで維持された。2004年2月から2006年5月の検査入場までの間は「レトロ」を意識した音調に変更。2006年10月の全般検査出場後の現時点の音色は、C11形などでよく聞く伝統的な音に近いものとなっている。

[編集] JR西日本 200号機

D51 200(2001年9月、梅小路蒸気機関車館にて撮影)
D51 200(2001年9月、梅小路蒸気機関車館にて撮影)

梅小路蒸気機関車館に保存されている200号機は動態保存されており、車籍も有するが、走行できるのは構内運転程度のみであり、実際に本線走行するのは難しいとされている。現在でも「SLスチーム号」として時折走る姿を見る事ができる。

また、同機は新人機関士の教習訓練車としても使用されている。

[編集] 「デコイチ」と「デゴイチ」

元々、鉄道の現場などで本形式の愛称として用いられていたのは「デイチ」であった。この呼び方はD50形を「デコマル」と呼ぶ事と対で用いられていたもので、古い文献には「凸一」と記したものもある。この呼び名の由来には諸説ありはっきりしないが、一説には標準型(「なめくじ」ではないタイプ)の場合正面の上部に給水暖め機が付いており、これが人の顔の「おでこ」の部分に「一」の字が書かれている様に見えるからという(D50形の場合は給水暖め機が同位置になかったため、「おでこ」が「丸い」。)。

しかし、1960年代のSLブームでこの愛称が紹介される際に「ィー(じゅう)いち」の略称であるとみなされ、「デイチ」と書かれる事が多くなり、C62形の「シロクニ」など他形式でも類似の愛称が付けられた事から、そちらの方が広まる事となった。今でも古くからの蒸気機関車愛好者には「デゴイチ」は誤った呼び方で受け入れられないという人も存在するが、これだけ人口に膾炙すると2つの愛称があると見なさざるを得ないであろう。

なお、ディーゼル機関車DD51形は、このD51形「デゴイチ」をもじって「デラックスデゴイチ」「ダメデゴイチ」などと呼ばれる事があった。ディーゼル機関車の増備に伴い、蒸気機関車の在籍数が急速に減少したため、蒸気機関車を支持する鉄道ファンが皮肉を込めて付けたものだった(余談だが、当のDD51形も1980年代中盤以降に両数を減じ、かつてのD51形さながらに鉄道ファンから注目されている現象もこれまた皮肉である。)。

[編集] 関連商品

Nゲージ鉄道模型として、関水金属(KATO)及びマイクロエースから数タイプずつ製品化されている。また、プラレールでも製品化されている。

[編集] 関連項目

[編集] リンク

遠い汽笛-D51の全兄弟

日本国有鉄道鉄道院・鉄道省)の制式蒸気機関車
タンク機関車
9601000II・1070・1150B10B202700II・2900・3500C10C11C124100・4110E10
テンダー機関車
6700・67506760B50
86208700880088508900C50C51C52C53C54C55C56C57C58C59C60C61C62C63(計画のみ)
90209550・958096009750・9800・9850D50D51D52D60D61D62
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