中條健一
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中條健一(ちゅうじょう・けんいち、1965年3月17日 - )は吉本興業所属の、日本のお笑い芸人。兵庫県神戸市須磨区出身・在住で、痩せぎすでリーゼント、端正な長い顔を持つA型。兵庫県立舞子高等学校・関西大学経済学部卒業。吉本新喜劇の中堅俳優。通称「ヤクザの中條」。
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[編集] 芸歴
1987年、関大在学中に心斎橋筋2丁目劇場でデビュー。大学卒業と同時に、関西大学落語研究会『落語大学』の先輩である桂三枝門下に入る。当初から本名で活動し(大学時代には「浪漫亭呂澪(ロミオ)」という芸名もあった)、1992年に吉本新喜劇へ入団。かつては帯谷孝史とのコンビで出演することが多かったが、最近は主に吉田ヒロが出演する際、「アホボンのヒロのお付き」や、「ヒロの先輩(仲間)」、ヤクザなどの役柄で登場する。目立ったギャグはないものの、ボケの多い新喜劇にあって場の仕切りが上手く、長セリフもこなせる名脇役である。
ちなみに、桂三枝に弟子入りした理由は、中條が落研の発表会で演じたギャグをたまたま桂三枝が見に来ていて、その後中條がテレビで桂三枝が出演する番組を見ていたら、自分のギャグを三枝がパクって使っていたためである。自分のギャグを大師匠にパクられたことに対して「師匠は自分のギャグセンスを解ってくださっている」と感銘し、三枝門下に入ることを決意したのだそうである。
[編集] 眉なしヤクザ
- 髪を尖らせ眉なし顔(無論隠している)にし、靴下や靴、さらには財布や名刺まで全身緑のスーツのヤクザ役で最近ではドスや血まで緑である(稀にスーツではなく緑のスカジャンで舞台に出ることも。他、復讐に来た建設会社の社長、家出した大会社の御曹司、極道風の釣り客など)。「アスパラガス」「ニワトリ」(「ウコッケイ」「名古屋コーチン」など)「トサカ」「ネギ」「カマキリ」「キュウリ」「観葉植物」といじられる。ちなみにヘアスタイルは吉田ヒロが考案した。最近では「居酒屋のメニュー、ベーコン巻いて食べたい!(=アスパラガス)」という応用編も使われる。
- ヤクザ役の時、スーツをいじられ「センスのわからん奴っちゃのう、イタリア製のオーダーメイドのコーディネートや」「目に優しい緑やろ」とよく言うが、これは紫色のスーツで出たときヒロに「アスパラガス!」といじられ、その後にヒロが「アスパラガスやったら緑色にせなあかんな」と意見したこともあり、緑色物の衣装を用意してもらったことから。特に座長吉田ヒロと共演するときはちょっとこうして?と走るポーズをして『非常口』などとののしられる。また、スーツでいじられる時に、「靴まで黄緑色なん、どこ探してもないで」といじられることもある。
- なお、眉なし顔のヤクザ役を演じる際には、他の出演者(ヒロなど)がツッコミとして「眉毛は?」と聞くと、「剃ったんや!」と手を眉毛の辺りに添え、続けてその手を上に掲げながら答え(「なんで剃ったんですか?」と聞かれると、「ファッションや!」と答えることもある)、さらに、「あ、剃ったんですか?」「剃ったんや!」(あるいは、「ファッションですか?」「ファッションや!」)というやりとりが2、3回続いた後に、最後は、「桂三枝は?」のギャグ(ツッコミ)に反応し、彼(三枝)の名ゼリフである「いらっしゃ~い」を、ポーズ付きでヒロなどと一緒に言うこともある。これを最初にやったのは石田靖でアドリブだった。手の動きが「いらっしゃ~い」をパクッていると指摘された事があるらしいが桂三枝自身は認めているという。
- 眉なしで登場して、後にスーツを着替えて不自然な太さの付け眉を付けて登場したこともあった。
[編集] 持ちギャグ
- 去り際に:
- (中條)「炊飯器」
- (共演者)「えっ、炊飯器?」
- (中條)「いや、ジャー(じゃぁ)」
ただし、この持ちギャグは、最近は封印している。
- (中條)これで茶でも飲んでください(香典等の封筒を渡す。封筒の色も緑。)
- (共演者)(中條が帰った後)いったいいくら入ってるかと言って開けると、ティーバックが入っている。
- (共演者)茶でもって、茶しか飲まれへんやん!
[編集] エピソード
- 巡業先でトラブルを目撃し、機転をきかせて怖い声で怒鳴って人助けをしたこともある。
- 1988年、「やすきよ」最後の正月に司会を任されるも漫談になってしまい、出番の時間を食ってしまう。このことに怒った横山やすしが近寄り、「怒られる」と思った矢先に自分の目の前を素通りして行った。やすしは、その奥にいた三枝に対し、弟子のしつけが成っていないことを厳しく説教し、その姿を中條に見せつけたのである。
- 修行時代に曽根崎の路上でひったくりを目撃し、捕まえた。
- 「ゲラゲラ・ハッピィ」で、周囲に眉がないと思われてると答えた。
- 2000年新喜劇の舞台中(紅葉の里は大騒ぎ)、中山美保に無理矢理座らされ、ビンタされるシーンで、ビンタされた直後にあごが外れるというハプニングが発生。しかし、わずか数秒のうちに自力で治し、拍手喝采を浴びた。ただし、最後にちゃっかりネタにされる。
- (秋田久美子のブログによる)大分県臼杵市の野外での地方公演で、演じている最中大雨だったのに「俺は晴れ男やさけ、晴れるやろ」と言っていたという。
- トサカを作るために整髪料を大量に使うため、近年は抜け毛に悩んでいる。この事は最近になって、末成由美にネタとして扱われるようになっている。
- 「なかじょう」と読み間違えられることを極度に嫌う。
[編集] 仕事
映画『マインド・ゲーム』に声優として出演。
[編集] TV出演
現在「よしもと新喜劇」(毎日放送)にほぼ定期的に出演中。また芸人のソウル・フード(原点の料理)を探る「素のよしもと」(関西テレビ)にも出演した。 他に、「なにわ人情コメディ 横丁へよ~こちょ!」(朝日放送)にゲスト出演することも多い(主に眉なし顔のヤクザ役で)。
[編集] 舞台
- なんばグランド花月その他
- 2005年、ヒロとの単独ライブ「しろとみどり」を開催した。