中華民国陸軍
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中華民国陸軍(ちゅうかみんこくりくぐん)は中華民国(台湾)の陸軍である。要員数は約13万、陸海空の三軍の中で最も人数が多い。
国防報告書の中で中華民国陸軍の任務として下記の内容が規定されている。
- 平時は台湾本島及び周辺当初の要所を防衛し、基本戦力の従事と作戦対応能力の訓練を行なう。
- 情況に応じて重要基地、工場、倉庫施設の安全を維持する。
- 重大災害の支援を適切に行う。
- 戦時に際して、海軍及び空軍と共同して作戦に従事し、侵入者を撃破し国土の安全を確保する。
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[編集] 組織
陸軍司令部内には各行政部門のほか、3個(第6、8、10)軍団司令部、4個(花東、金門、馬祖、澎湖)防衛司令部、後勤司令部、防空ミサイル指揮部、航空特戦司令部、督察長室、教育訓練基準発展司令部、師団指揮機構、裝甲旅団、機歩旅団、歩兵旅団、航空旅団、特戦旅団、陸軍官校、陸軍専科及兵科学校などの部門がある。
[編集] 編成
中華民国陸軍は3個軍団、5個軍、27個師団が存在し、その下部に13個歩兵旅団、5個装甲旅団、3個砲兵旅団、2個海軍旅団が設置されている。陸軍総司令部以下の組織は下記の通り
- 第6軍団 - 軍団本部:桃園中(土歴)。約5万人。
- 第249機械化歩兵師団 - 林口。別名「竜虎部隊」
- 第226歩兵師団 - 関渡。
- 第206歩兵師団 - 新竹。
- 予備師団×2個
- 第42装甲旅団 - 林口。
- 第51装甲旅団 - 新竹湖口。
- 防空ミサイル群×1個
- 第62空挺旅団 - 龍潭。快速反応部隊。
- 第10軍団 - 軍団本部:台中。約5万人。
- 第234歩兵師団 - 後里。
- 予備師団×4個
- 第64装甲旅団 - 後里。
- 第95装甲旅団 - 屏東万金。
- 第8軍団 - 軍団本部:旗山。約4万人。
- 第109機械化歩兵師団 - 嘉義内角。
- 第333歩兵師団 - 九曲堂。
- 予備師団×2個
- 第86装甲旅団 - 旗山。
- 第73装甲旅団 - 将軍山。
- 第71空挺旅団 - 燕巣。
- 第298旅機械化歩兵団 - 屏東万金。
- 花東防衛司令部 - 約7千人。
- 予備師団×1個
- 金門防衛司令部 - 約2万5千人
- 独立旅団×3個
- 予備師団×1個
- 馬祖防衛司令部 - 約1万人
- 第193守備旅団
- 第194守備旅団
- 澎湖防衛司令部 - 約1万人
- 歩兵師団×1個
- 第503装甲旅団
[編集] 歴史
- 1944年:同盟国中国戦区陸軍総司令部が成立
- 1946年6月1日:陸軍総司令部に改編
- 1950年4月16日:高雄鳳山(現陸軍官校)にて台湾防衛司令部として改組改編
- 2005年1月1日:国防組織法の施行により国防部陸軍総司令部と改編
- 2006年2月17日:国防部陸軍司令部に改称
[編集] 武器裝備
武器裝備は作戦統合、航空兵力、防空兵力、地上防衛に分類することができる。
- 作戦統合:戦術エリア通信システム、衛星通信システム、野戦デジタル交換機
- 航空兵力:AH-1W型、OH-58D型攻撃ヘリコプター、CH-47SD型輸送ヘリコプター、UH-1H多用途ヘリコプター
- 防空兵力:パトリオットミサイル(愛国者飛弾)、天弓I型/II型ミサイル、ホークミサイル(鷹式飛弾)
- 地上防衛:M60A3型戦車、M48H型戦車、M41型戦車、CM11型戦車、CM12型戦車、M113M113型装甲兵員輸送車、CM-21型装甲兵員輸送車、軽中型戦術輪車、155公厘自走砲、8吋自走砲、車載式反裝甲飛弾、中程反裝甲飛弾、40公厘榴弾機銃。
[編集] 将来展望
現在「デジタル化、立体化、機械化」を中心にした装備更新が目標とされている。
- デジタル化
- 情報、電子作戦能力の確立と、三軍の統合作戦能力の強化
- 立体化
- 地上と空域作戦の統合と、強化
- 機械化
- 攻撃力の強化と、作戦の即応性及び機動性の向上
この他、「軍事費削減、余剰費用の見直し、戦力強化」を柱にした精実案と称される改革も行なわれている。
[編集] 陸軍上層部
陸軍司令部には総司令1名、副総司令2名、参謀長1名、副参謀長数名を置く。
[編集] 歴代陸軍総司令
[編集] 大陸当時時代
- 何應欽:1944年~1946年5月
- 顧祝同:1946年5月~1948年5月
- 余漢謀:1948年5月~1949年4月
[編集] 遷台後
- 顧祝同:1949年4月~1950年3月
- 孫立人:1950年3月~1954年6月
- 黄杰:1954年6月~1957年7月
- 彭孟緝:1957年7月~1959年6月
- 羅列:1959年6月~1961年8月
- 劉安祺:1961年8月~1965年8月
- 高魁元:1965年8月~1967年6月
- 陳大慶:1967年7月~1969年6月
- 于豪章:1969年7月~1975年3月
- 馬安澖:1975年3月~1978年3月
- 郝柏村:1978年3月~1981年11月
- 蒋仲苓:1981年11月~1988年6月
- 黄幸強:1988年6月~1991年7月
- 陳廷寵:1991年7月~1993年7月
- 李禎林:1993年7月~1996年7月
- 湯耀明:1996年7月~1999年1月
- 陳鎮湘:1999年1月~2002年1月
- 霍守業:2002年1月~2006年2月
- 胡鎮埔:2006年2月~現職
[編集] 外部リンク
- 中華民国陸軍(中国語)