二十世紀のパリ
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『二十世紀のパリ』(にじゅっせいきのぱり、Paris au XXe Siecle、1863年)は、ジュール・ヴェルヌが1863年に執筆した、ヴェルヌ初のSF未来小説である。
[編集] 概要
1863年に出版された初の長編小説『気球に乗って五週間』が好評となったヴェルヌが、続けて執筆したのが本作である。ところが出版社はこれを『暗く荒唐無稽な作品』として出版しなかった。本作はその後ヴェルヌの手元に死蔵され、死後に発表された未発表作品の目録に名前のみ存在し研究者などからは幻の作品と呼ばれていた。ところが曾孫のジャン・ヴェルヌJean Verneによって1991年に偶然発見され、1994年にフランス及びアメリカで出版された。日本語訳も1995年に出版されている。
[編集] 内容
執筆時期から、一世紀を経た20世紀のパリを舞台にした物語。高架を走る鉄道や交通渋滞、大気汚染などを目の当たりにした主人公が、それに疑問を感じる…という内容であり、ヴェルヌが生きていた19世紀における、科学・産業革命を賞賛する風潮とは一線を画した内容となっている。この内容が、出版を拒否された最も大きな理由だと言われている。