伊予鉄道800系電車
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800系電車(800けいでんしゃ)は、伊予鉄道の鉄道線用電車。1984年から1985年にかけて京王帝都電鉄2010系電車を購入し、京王重機整備にて整備・改造の上投入したものである。
松山市方から、モハ820形(Mc) - クハ850形(Tc) - モハ810形(Mc)の3両編成を組み、2004年3月現在、6本18両が在籍する。
当初はMc-T-Mcの3両編成を組んだが、1993・94年に運用の効率化のためサハ850形の郡中港寄りに貫通型運転台を取付ける改造が京王重機整備の出張工事で実施された。これにより、モハ810形を外した2両編成での運用も可能となった。新設された運転台の形状は、700系(=京王5000系電車)に類似しているが、800系は車体断面が形状が裾絞りがない直線となっているため、独特の雰囲気を醸し出している。
伊予鉄道転出にあたり、軌間が異なる(京王:1372mm、伊予鉄道:1067mm)ため、同時期に廃車された京王井の頭線用の1000系電車(初代)の台車や主電動機などを取付け、軌間変更に対応している。ちなみに、これが京王重機整備による中古車両改造・譲渡の第1号である。
京王時代は1台の主制御器で8個の主電動機を制御する1C8M制御であったが、750V用への降圧にともない制御装置を増設し1C4M制御とされた。また、投入当初は冷房装置を搭載していなかったが、改造により全車が搭載を完了している。投入当初は発電ブレーキ(電制)を使用していたようだが、電制動作時の衝動が激しかったため、それ以後は使用中止している。
18両のうち、モハ815号は1961年製の京王2010系初期グループ車を種車としている。冷房改造以前は屋上通風器の形状・配置が同系他車と異なっていたため、遠方からでもすぐに見分けが付けられたが、現在では車体裾部の処理を除いて他車との相違が見られない。
[編集] 編成及び旧番号(伊予鉄道での竣工年月日)
- 821 - 851 - 811 ← 2072 - 2525 - 2022 (1984年8月1日)
- 822 - 852 - 812 ← 2070 - 2575 - 2025 (1984年8月1日)
- 823 - 853 - 813 ← 2069 - 2576 - 2021 (1985年2月12日)
- 824 - 854 - 814 ← 2073 - 2573 - 2023 (1985年3月30日)
- 825 - 855 - 815 ← 2074 - 2524 - 2018 (1985年4月6日)
- 826 - 856 - 816 ← 2076 - 2526 - 2019 (1985年2月12日)
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