伊坂幸太郎
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伊坂幸太郎(いさか こうたろう、1971年 - )は、小説家。
千葉県松戸市出身、宮城県仙台市在住。千葉県立小金高等学校、東北大学法学部卒業。システムエンジニアとして働く傍ら文学賞に応募、2000年に『オーデュボンの祈り』でデビュー。現在は作家専業。既婚。
「伊坂幸太郎」は筆名。ミステリ作家の西村京太郎と、同画数の漢字を選んでつけている(「西」と同じ六画の「伊」という風に)。ベストセラー作家にあやかろうと身内が考えてくれたものだという。
2003年『重力ピエロ』、2004年『チルドレン』『グラスホッパー』、2005年『死神の精度』、2006年『砂漠』で直木賞候補となったり、唯一本屋大賞において第1回から第4回まですべてにノミネートされている作家であるなど、いま最も注目を集める作家の一人である。
目次 |
[編集] 受賞歴
- 1996年 第13回サントリーミステリー大賞佳作 『悪党たちが目にしみる』 (未単行本化)
- 2000年 第5回新潮ミステリー倶楽部賞 『オーデュボンの祈り』
- 2003年 第25回吉川英治文学新人賞 『アヒルと鴨のコインロッカー』
- 2004年 第57回日本推理作家協会賞短編部門 『死神の精度』
- 2006年 平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門
[編集] 特徴
- 2002年の『ラッシュライフ』で評論家に注目され始め、直木賞候補になった2003年の『重力ピエロ』で一般読者に広く認知された。若い世代を中心に支持を集める作家である。
- ミステリ作家と紹介されることもあるが、現在はミステリに留まらない、エンターテインメント性豊かな作品を発表している。奇想天外で独創的な世界観を、重層的な構想力と軽妙洒脱な筆致で書くのが特徴。
- 映画にかなり影響を受けており、尊敬する映画監督のひとりであるジャン=リュック・ゴダールの作品をよく登場人物たちが劇中で語る。だが出てくる登場人物の設定などはエンタテイメント嗜好のものが多い。芸術を冠しながらエンタテイメントな内容である。
- 作品間で舞台設定、登場人物や事件などがリンクしていることが多く、読者を惹きつける要素となっている。
- 多くの作品で仙台を舞台にしているが、本人はその理由について「(自分が住んでいる町なので)嘘がつきやすいから」と語っている。
[編集] 作品
- 『オーデュボンの祈り』 (新潮社、2000年)
- 『ラッシュライフ』 (新潮社、2002年)
- 『陽気なギャングが地球を回す』 (祥伝社、2003年)
- 『重力ピエロ』 (新潮社、2003年)
- 『アヒルと鴨のコインロッカー』 (東京創元社、2003年)
- 『チルドレン』 (講談社、2004年)
- 『グラスホッパー』 (角川書店、2004年)
- 『死神の精度』 (文藝春秋、2005年)
- 「透明ポーラーベア」※アンソロジー『I LOVE YOU』所収 (祥伝社、2005年)
- 『魔王』 (講談社、2005年)
- 『砂漠』 (実業之日本社、2005年)
- 『終末のフール』 (集英社、2006年)
- 『陽気なギャングの日常と襲撃』 (祥伝社、2006年)
- 『フィッシュストーリー』 (新潮社、2007年)
[編集] 映像化された作品
- 映画『陽気なギャングが地球を回す』(監督:前田哲)
2006年5月13日公開 主演:大沢たかお
- ドラマ『チルドレン』(監督:源孝志)
2006年6月4日 午後0:50からWOWOWにて放送 主演:坂口憲二
- 映画『アヒルと鴨のコインロッカー』(監督:中村義洋)
2007年5月 公開予定 主演:濱田岳
- 映画『重力ピエロ』(監督:森淳一)
公開日未定
[編集] ラジオドラマ化された作品
- 『オーデュボンの祈り』(演出:濱田裕之・出水有三)
2004/4/12~16・4/19~23放送
- 『死神の精度』(演出:川野秀昭)
2006/10/30~11/3放送(全5回)
いずれもNHK-FM青春アドベンチャーにて。