俳諧
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俳諧（はいかい）とは、主に江戸時代に栄えた日本文学の形式、その作品のこと。誹諧とも表記する。広義に俳諧の連歌までを含む。時に俳句と同一視される。俳諧を行う人を俳諧師と呼ぶ。
[編集] 歴史
「俳諧」の元の意味は「滑稽」「戯れ」といった意味がある。古今和歌集に集められた滑稽な和歌は「誹諧歌」と呼ばれていた。
室町時代に和歌の連歌を滑稽・洒脱な表現として行われた俳諧連歌、もしくは俳諧の連歌が栄えた。連歌の傍流といった位置づけであったが、山崎宗鑑らによって大いに栄えた。
江戸時代に入ると松永貞徳によって俳諧が大成された。貞徳の一門による俳諧は貞門派と呼ばれ一時代を築き、連歌をしのぐ程の人気を誇った。しかしやがて貞徳らによるそれまでの「古風」に対して新しい表現「新風」が現れて貞門の地位を奪った。新風は談林派と呼ばれ、連歌師でもあった西山宗因を筆頭に、浮世草子を成立させた井原西鶴らが参画していた。談林派が十年ほどの短い最盛期を終えると、その後には松尾芭蕉があらわれ、蕉風と呼ばれる作風を示した。貞門派の「詞付」、談林派の「心付」に対して、蕉風は「匂付」と評された。
芭蕉没後しばらくは川柳を中心に雑俳が栄えたが、中興の祖である与謝蕪村らによってふたたび活気を取り戻した。
江戸時代末期には小林一茶の活躍が見られた。
[編集] 形式
もともとは連句として詠まれたものだが、発句のみを独立した表現とすることもある。のちに連句のための発句を立句、単独のものを地発句と区別して呼ぶようになった。
また、連句としての前後のつながりを含めて作品であること、複数人で続けて句を詠みあうという表現の性格から作り手と受け手が同一空間にいることといった特色があるため、本来連句としての俳諧は近代以降の俳句と評価の視点が異なる。
