俺萌え
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俺萌え(おれもえ)とは本田透が2005年ごろ提唱した概念。支持者もいるが本田透の個人的偏見に基づいた概念として批判される事も少なくない。
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[編集] 概説
俺萌えとは、女装した主人公や女性的な主人公に対して感情移入し、その自己自身に愛情を抱く事である。この萌えの分野は2000年代半ばにかけ急激に拡大した分野である。ただ、通常はこういったものは「女装萌え」もしくは「女装っ子萌え」と呼ぶ事が多い。
「俺萌え」に類似した用語として「自分萌え」がある。これらの用語のもう一つの用法として「自己愛」自体を指す場合もある。雨宮処凛などが用いているように「自分萌え」は女性を中心にした自己愛、杉村太蔵議員などに対する評論などに見られるように「俺萌え」は男性の自己愛を指すとされる。
[編集] 歴史
[編集] 起源
この萌えは、この概念が表に出ていなかった頃であっても表現されている作品が見られる。代表的なものとしては2000年前後の漫画作品『少女少年』や『ミントな僕ら』が挙げられる。また、さらに遡って1980年代後半の官能系漫画の中にこの起源を求める者もいる。
もっとも、この論でいけば『南総里見八犬伝』の犬塚信乃戍孝が15歳まで女装をさせられていた事や、レオナルド・ダ・ヴィンチの『モナリザ』、あるいは『古事記』の日本武尊に起源を求めることも出来る。
[編集] 概念の提唱の背景
現代的女装ブームはオタク世界では2003年頃のネット上で、萌えの本質は男性内女性因子(アニマ)の共振とする「悟りムーブメント」が起こり、究極的な萌えの自給自足である「女装している自分萌え」の運動が盛んとなった時期から始まったといわれる。しかし、この時点では単純に自分の顔から下を写していただけであった。
メディアで女装描写が盛り上がりつつある中、2005年に『処女はお姉さまに恋してる』が登場した。この作品の登場後、本田透は『姉コレクション』(2005年)のコラム姉総研で、「二次元で女装キャラがハーレム化した時、そのキャラに感情移入し、同時にそのキャラが萌えの対象になる状態」を「俺萌え」と定義した。
なお、女装に関する描写は男女問わず多くの漫画作品に見られ、しばしば官能小説もしくはボーイズラブのネタにされ、アダルトゲームにもよく見られる。
[編集] 本田透の主張について
彼の主張に基づけば、俺萌えは家族萌えの路線の極北に位置するものであるため、俺萌え者は通常の家族萌え(妹萌え、姉萌え、母萌え、娘萌え)には純粋さを感じなくなり、逆に汚らわしさを感じる場合に多いということになる。
また自分自身を抱きしめる事は物理的に不可能なため、近親相姦系の萌えよりも恋慕の遮断感が強く、倒錯度も著しく強いため、その萌えは萌えの極北形の一種として認知される。
もっとも、用語の提唱者である本田透は2006年3月現在においてはショタ萌えを一つの完成形としている。彼は俺萌えをショタ萌えへのクッションと述べた。
だが、一方で魚や機械など人外萌えこそが最高という意見もある。この論でいけば当然そうなるであろう。