全日本空輸ハイジャック事件
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全日本空輸ハイジャック事件（ぜんにっぽんくうゆハイジャックじけん）は、日本の航空会社である全日本空輸が遭遇したハイジャック事件の一覧。
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[編集] 概要
1960年代から70年代にかけて、日本赤軍などの左翼過激派によるテロ事件やハイジャック事件が多発した。全日空は当時国際線を運行しておらず、しかも日本航空が半官半民の特殊法人であったのに対して、純民間企業である全日空が政治的動機によるハイジャックの標的にはならなかった。
しかし、日本国内の航空路を数多く運航していたため、そのほかの動機によるハイジャックには数多く遭遇した。その多くが計画性に乏しい行き当たりばったりの犯行が多かったが、ハイジャック実行犯または操縦乗員が死亡する結末に至った事件もあった。
[編集] 事件の一覧
[編集] 全日空「アカシア便」ハイジャック事件
1970年8月19日、小牧空港（名古屋）発千歳空港（札幌）行きとして運航されていた全日空175便「アカシア便」（ボーイング727）が離陸後の午後4時50分ごろに、人質と交換に武器を受け取り警備隊に銃撃されたいという動機で自殺志願の青年にハイジャックされる。航空自衛隊浜松基地に緊急着陸したあとで、人質解放のスキを見た警官に逮捕される。「よど号事件」を機に施行された「ハイジャック防止法」が初めて適用された事件でもある。
[編集] 全日空801便
1971年5月13日、羽田から仙台に向かっていたYS-11が、東京湾上空を飛行していた午前7時40分にビニール電線を持った男にハイジャックされ、「平壌に行け」と要求されたが、羽田への緊急着陸後に逮捕された。
[編集] 全日空72便
1974年7月15日、札幌から羽田に向かっていたボーイング727が、模擬ダイナマイトを持った少年にハイジャックされかかったが、運航乗務員に取り押さえられた。
[編集] 全日空63便
1975年7月28日、羽田から千歳に向かっていたトライスターが、宮城県松島上空で17歳の高校生に乗っ取られ「ハワイに行け」と要求される。羽田に戻る際に操縦乗員から説得され、到着後に逮捕された。
[編集] 全日空724便
1977年3月17日、千歳発仙台行きのボーイング727がナイフを持った27歳の男にハイジャックされそうになったが、乗客に取り押さえられた。犯人は緊急着陸した函館で逮捕された。
[編集] 全日空817便
1977年3月17日、羽田発仙台行きのボーイング727が、離陸直後に改造モデルガンで武装した男（26歳）が乗っ取ろうとして客室内で発砲したが、機長は犯人とコンタクトしないうちに羽田に緊急着陸した。その直後犯人は犯行計画が頓挫したと思いトイレに入り青酸化合物で服毒自殺した。日本でハイジャック犯が死亡したのは初めて。残された遺留品のメモから身代金目的が動機であったようだが、詳細は被疑者死亡のため不明。
[編集] 全日空857便ハイジャック事件
1995年6月21日、羽田発函館行きのボーイング747SR（JA8146）が53歳の男に「サリンを持っている」（中身は水）と脅迫され乗っ取られた。翌日明け方、警視庁の特殊急襲部隊（SAT）が機内に突入し解決した。犯人は当時強制捜査を受けていたオウム真理教（現・アーレフ）の信者を名乗っており、逮捕されたオウム真理教幹部の解放が動機と思われたが、実際には無関係の便乗犯（休職中の銀行員）であることが判明した。
[編集] 全日空217便
1997年1月20日、大阪発福岡行きのボーイング777が包丁を持った男に乗っ取られた。外国に行くことを要求したが福岡に着陸後、解放した乗客と一緒に降機したところを逮捕された。
[編集] 全日空61便ハイジャック事件
1999年7月23日、羽田発札幌（千歳）行きのボーイング747-400D(JA8966)が、フライトシミュレーターのマニアの28歳の男にハイジャックされる。実際に操縦しようとして拒否された事に激怒し機長を殺害したあと、操縦しようとしたが墜落寸前の状態にしたところ、操縦室に突入した副操縦士らに取り押さえられた。犯人は後に無期懲役が確定した。
