北見市都市ガス漏れ事故
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北見市都市ガス漏れ事故とは、日本標準時(JST)2007年1月19日午後1時30分頃、北海道北見市春光町の住宅街で、比較的規模の大きな都市ガス漏れ事故の発生が確認され、3人が亡くなり、11人が病院に運ばれた事故。その後の北海道ガスによる調査で、現場付近の地中に埋まっている鋳鉄製のガス管が破断し、ガスが漏れているのが発見された。ガス漏れは他に同市の幸町、常磐町でもあり、市内の3地点5箇所に拡大した。
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[編集] 事故原因や遠因
- 現場付近の都市ガスは、いわゆる石油系ガスであり、一酸化炭素(CO)がおよそ5パーセント含まれていた。死亡した男性の住宅の地下から致死量の約8.7倍のCOが検知されたことが20日分かった。他のほとんどの都市ガス供給地域では、一酸化炭素がほとんど含まれていない天然ガスが使用されている。このため、ガスを吸って一酸化炭素中毒で死亡したり、重篤な症状になったものとみられる。
- 破断したガス管は、1967年に北見市によって埋設されていたものであり、老朽化していたものと見られ、完全に破断して上下にずれた状態であった。破断面から地中に漏れたガスが近くの住宅に流れ込み、CO中毒を引き起こしたと見られている。
- 2006年4月に、都市ガス管理事業が、北見市から北海道ガスに移譲され、北海道ガスでは、老朽化したガス管の交換作業を進めていた。
- 北海道ガスでは、北見市周辺で今も使われている石油系都市ガスに代わり、天然ガス系の都市ガスに、2009年にも切り替える予定であった。
[編集] 避難勧告
- 北見市では、19日午後2時頃、付近の77世帯、178人に一時避難勧告を出した。同日夕には一部解除した。20日、14世帯29人には避難勧告を継続する方針。21日、市は避難勧告を継続し、13世帯27人が市内のホテルなどに避難した。北見市ガス漏れ事故対策本部は、事故発生から4日目の22日も「安全が確認できないので避難勧告解除のめどが立たない」と、依然13世帯27人は市内のホテルに避難を続行していたが、2月7日13時30分に避難勧告を解除をした。
[編集] 発覚の遅れ
- 前日の1月18日、亡くなった3人のうち1人が一酸化炭素中毒で倒れているのが消防と警察の手により確認された。その時、ガスの匂いがしたため、警察官や消防隊員が倒れていた人の家のガス器具を確認したが、異常がなかったため、死因が分からなかった。
- それより前の1月17日、付近の住民からガスの匂いがするとの通報が北海道ガスにあり、18日に調査を行ったが、ガス漏れ箇所を把握できず、19日に改めて調査することになっていた。
- その後の調査で、亡くなった3人はいずれも18日に亡くなっていたことが分かり、すでに18日にはかなり広範囲にガスが拡散していたことになる。