南画
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南画(なんが)とは、中国の南宗画に由来する 日本独特の用語である。文人画ともいう。南宗画は17世紀に明末の理論家によって、禅の流派名から作られた概念で、地理的な南北とは関係がない。南画は南宗画の略称であるが、日本では中国での概念と異なり、長崎を経て輸入された17~19世紀の中国の絵画、絵画教科書、絵画理論書、版画などをもとにして発生した絵画の流派をさす。「文人画」の意味も中国とは異なり、単なる絵画様式である。一部の画家は長崎へ来日した清人の画家に学んでいる。写実でなく「写意」を旨とし、「気韻生動(風格・気品がいきいきと満ち溢れている)」を理想とした。
18世紀後半から19世紀末(明治前期)に流行した。
代表的な画家は、祇園南海(1676年 - 1751年)、彭城百川(1698年 - 1753年)、柳沢淇園(1706年 - 1758年)、池大雅、与謝蕪村、浦上玉堂、青木木米、谷文晁、渡辺華山、田能村竹田、富岡鉄斎
[編集] 参考文献
- 飯島勇 編、『文人画』日本の美術、第4号、至文堂、1966年
- 「世界美術小辞典 日本編 絵画 近世」 『芸術新潮』
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