合字
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合字(ごうじ、Ligature)とは、複数の文字を結合した文字のこと。
[編集] 合字のステージ
合字には、いくつかのステージが認められる。
- 筆記体の影響などから、デザイン上、単に複数の文字をくっつけて書いたもの。
- 活版印刷において、スペースを調整する目的により、いくつかの文字をくっつけた活字を作り、必要に応じて使用したもの。
- fi(fi)、fl(fl)など、特定の組み合わせについて、統一的に合字を使うようになったもの。
- フランス語のŒ 、œのように、2つの文字の組み合わせである意識は残しながらも、綴りの中で必ずその合字を使うようになったもの。
- ドイツ語のßのように、その文字に特別の役割を与え、1字として扱うようになったたもの。
- アイスランド語、デンマーク語、ノルウェー語のÆ、æのように、もとの文字から離れて新しい役割を持たせるようになったもの。
- フィンランド語、デンマーク語、ノルウェー語のØ、ø(oとe)のように、2字を重ねて書かれた結果、新しい役割を持つ字となったもの。
- オランダ語のIJ、ij(IJ、ij)のように、印刷上分かれて書かれたとしても1字と扱われるようになったもの。
- W、w(VV、vvまたはUU、uu)のように、完全に独立した文字として多くの言語のアルファベットに迎えられたもの。
- &(ラテン語のet)や@(ラテン語のad)のように、形を大きく変え、他の言語に記号ないし表意文字として迎えられるようになったもの。
- $のように、起源がわからなくなっているもの(PとSを重ねたものという説が有力)
- Å、åのように、縦に重ねた結果、上の文字が小さく書かれるようになったもの。
- Ä、ä、Ö、ö、Ü、üのように、縦に重ねて書いた結果、上に付けられていたものが点に変わったもの(これらドイツ語のウムラウトの¨は、eに由来する)。
- そのほか、?はラテン語のquaestioの最初と最後のq、oを縦に重ねたものであり、!は、ラテン語のioを縦に重ねた形である。
これらの合字が単語に含まれる場合、辞書等においてどのような位置に並べるかは、様々である。合字する前の位置に置く場合、独立した文字としてアルファベットに加えて並べる場合、また、ウムラウトのようにそれがないものとして並べる場合等がある。
[編集] 合字の例
- キリル文字のЯも、「IA」の合字といわれる。
- 日本語でも過去に「」(トモ)、「ヿ」(コト)、「ゟ」(より)などの仮名合字や「浬」(海里)、「粁」(千米、キロメートル)などの漢字合字が使われていたが、明治期以降の日本語の変革において簡便性を欠くとして徐々に使われなくなった。「麿」(麻呂)、「粂」(久米)、「杢」(木工)などの漢字合字は、現在も固有名詞によく使われており、「より」の仮名合字は、現在では新聞の求人欄の三行広告で使用されている。
- 中国では、護符として、「大吉」、「招財進寶」、「黄金萬両」などを合字として書く例が現代でも見られる。