地域医療
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地域医療(ちいきいりょう、community medicine)とは、病院や医療機関での疾患の治療やケアに対置して言われることで、地域の中での疾病の予防や健康の維持、増進のための活動、在宅の慢性疾患の患者、高齢者の介護支援や専門的な助言、妊婦の保健指導、また、最近では、在宅の引きこもりの児童から成人などもその活動範囲になる。技術論というよりは運動論的な捕らえ方をされることが多い。 一般的には上記のような概念で捉えられているが、『地域に必要なことをするのが地域医療』、『医療の一分野というよりは地域の一つの役割』『医療を通じて地域を良くしていく運動』、『国保診療所が行う医療』など定義はさまざま。
佐久総合病院の若月俊一氏は地域医療に関して、「医療はすべからく地域医療であるべきで、地域を抜きにした医療はありえない。あえて地域医療というのはいかに地域がないがしろにされているかということの裏返し」と述べている。
これらの活動の多くは、地域の診療所や保健所が担当しているが、2000年前後あたりから、山間部の市町村やへき地の自治体病院や診療所が累積赤字のために閉鎖されたり、まだ閉鎖に至らなくても極端な赤字経営で先行きが疑問視されたり、あるいは特定の診療科が医師の引き上げに伴い不在となり閉鎖された。自治体住民に受診のたびに他の市町村に出かけなくてはならなかったり、極端な場合それがために転出するといった事態も起きている。特に産婦人科で顕著である。
大都市周辺の市町村であれば、このような事態にも近在の中規模都市に頼れば、ことが済む場合もあるが、へき地や離島の場合は、深刻な事態になる。都市への交通手段、車や船、特に天候に左右される海路の場合の厳しさと、そうしたへき地の診療所に簡単な応急的な手当て以上のことを放棄するのか、それともささやかな診療所ながらも完結した医療をそこだけでやってしまうかなりの医療設備を備えたものを運用していくのか、近在の市町村との医療、看護、保健での連携など、山積する問題は少なくない。
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[編集] 外部リンク
- 地域医療のページ- Dr.町田のHPの一部。「Dr.コトー診療所」を中心に離島での診療所のあり方について、自治医科大学方式と徳州会方式の長短を比較しての解説がある。
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