多目的ホール
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多目的ホール(たもくてきホール)とは、演劇、コンサートを主とする様々な公演に使用される建築物である。
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[編集] 構造
プロセニアム型で客席に段差がある構造が一般的である。収容人数は1000人から2500人で、1500人から2000人の規模が多数を占める。
興行目的の多用化と建築技術の向上に伴い、上記の枠外である超多目的ホールが建築された。
[編集] 一般的な構造
- 照明施設は、演劇一般に対応する設備を持つ。J-POPで多用するムービングライト等特殊機材は興行者が持ち込みで設置する。
- 音響設備は、商業音楽コンサートに対応することは少なく、多くの場合大型のスピーカーやミキサー (音響機器)といったPAを持ち込みで設置する。
- 舞台の大きさや客席数に応じた、大ホール・中ホール・小ホールを持つ場合がある。これは施設内の相対的区別であり、規模の基準は無い。
- 1500人以上の収容人数を持つ施設には2階席がある。
- ホリゾント幕や上下手の花道を持つ。
[編集] 超多目的ホールの構造
可動席により、興行に適した構成を可能にする。イベントスペースとしても活用される。
- 小中規模施設
500から1000人収容。プロセニアム、アリーナ、座席なしのイベントスペースに対応する。
- 主な施設:ラフォーレミュージアム原宿、スペース・ゼロ
- 大規模施設
1万人以上を収容。アリーナ型の2階席を持ち、可動席の1階席配置により、センターステージ・サイドステージに対応する。室内スポーツイベントに多く使用される。
- 主な施設:横浜アリーナ、さいたまスーパーアリーナ
[編集] コンサート興行
市民コンサートや発表会、児童演劇にも活用されるが、施設の多くは商業音楽のコンサート興行に使用される。以下の理由があげられる。
- 1500人から2000人といった収容人数が興行に適していること。
- 各都市に会場があるため、全国コンサートツアー興行に適していること。
- 文化活動であるため、有料興行でも比較的安価に使用できること。
- 公共交通機関を前提とした施設のため、交通の便が良いこと。
[編集] 運営主体
[編集] 地方自治体
都道府県や市の自治体の文化施設として、県民(または市民)会館・文化ホール・文化センターという名称で運営される。会議室等他の設備も併設されることが多い。
[編集] 官庁
省庁下組織の文化施設として運営される。厚生年金会館、郵便貯金ホールなど。
[編集] 企業
商業施設やコンベンションセンターの一部として運営される。メセナ活動として運営される施設は、音楽や演劇の専用ホールである。
[編集] 歴史
- 公会堂が公演会、集会などを目的に建築される。文化活動にも活用される。
- 地方自治体が文化施設を建築。
- 建築技術向上に伴い、超多目的ホールが建築される。