夢から醒めた夢
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『夢から醒めた夢』(ゆめからさめたゆめ)は、
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[編集] 概要
劇団四季により1987年に初演されたミュージカル作品。当初はニッセイ名作劇場として製作された子供ミュージカルであったが、演出の一部及び振付の変更が行なわれファミリーミュージカルとなる。その後もリニューアルを重ね、現在は一般作品として扱われている。2003年の福岡公演より衣装や美術も大幅に変更され、ロビーパフォーマンスも誕生した。現在も断続的に繰り返し上演されており、ファンの間で人気の高い作品。2006年11月1日に通算公演回数が1000回に達した。
元はユタと不思議な仲間たちとミュージカル李香蘭の二作品と併せてオリジナル三部作と呼ばれていた。しかし、ミュージカル李香蘭が昭和三部作に組み入れられたことにより、オリジナル三部作という枠組みは殆ど利用されなくなっている。
[編集] ストーリー
不思議な事が大好きで、好奇心旺盛な女の子「ピコ」は遊園地のお化け屋敷で、本物の幽霊の女の子「マコ」と出会う。交通事故で亡くなったマコは、一人で悲しみから抜け出せずにいる母親を励ましたいと思い、一日だけピコと入れ替わって欲しいと頼む。マコの願いを受け入れたピコはマコと入れ替わり、霊界空港へと旅立つ。
[編集] キャラクター
- ピコ
- 好奇心旺盛で元気な女の子。マコと入れ替わり霊界空港へ行く。
- マコ
- 交通事故で亡くなった幽霊の女の子。 母親思いの優しい女の子。本名は、赤川マコ。
- マコの母
- マコを失い、悲しみにくれているお母さん。
- メソ
- デビル
- 霊界空港の役人。意地悪なオカマのおじさん。口癖は「てめぇの事ばっかり考えやがって」で、その口癖の通り、人間は自分勝手な者ばかりだと考えている。だが実は情に弱く、悪い人物ではない。
- エンジェル
- 霊界空港の役人。優しいお兄さん。 口癖は「皆が幸せになれたらいいなぁ」で、その口癖どおりの明るい思想をしている。
- 部長
- ひたすら仕事に懸命で過労死した部長さん。家族を省みなかったせいで、グレーのパスポートを貰い霊界空港で働いている。
- 暴走族
- バイク事故で亡くなった暴走族の男。グレーのパスポートを貰い霊界空港で働いている。
- ヤクザ
- 他のヤクザと争って殺されたヤクザ。グレーのパスポートを貰い霊界空港で働いている。
- 老人
- 優しいおじいさん。医者だったが風邪をこじらせて亡くなった。白いパスポートを受け取ったが、妻が霊界空港に来るのを待ち、光の国に行かないでいる。
- 老婦人
- 旦那さんを先に亡くしたおばあさん。霊界空港で旦那さんと再会。
- 職員たち
- 霊界空港の職員たち。デビルとエンジェルの部下。
- 子供たち
- さまざまな地域で戦争・紛争などで亡くなった子供たち。皆、白いパスポートを受け取る。
- 夢の配達人
- 人々に“夢”を配って歩いている男。ピコ、そして観客を物語へ導く。
[編集] スタッフ
[編集] 歴代主要キャスト
- ピコ:保坂知寿、坂本里咲、井料瑠美、濱田めぐみ、樋口麻美、木村花代、吉沢梨絵、真家瑠美子
- マコ:伊東恵里、野村玲子、堀内敬子、樋口麻美、木村花代、紗乃めぐみ、花田えりか、苫田亜沙子、中村友里子
- 夢の配達人:市村正親、山口正義、下村尊則、荒川務、北澤裕輔、栗原英雄、味方隆司、飯野おさみ、新木啓介
- 部長:川地啓友
- 暴走族:吉原光夫、
- ヤクザ:野中万寿夫、吉原光夫
[編集] 上演記録
- 1988年9月17日~10月7日 - 銀座セゾン劇場
- 1989年1月5日~1月30日 - 銀座セゾン劇場
- 1993年12月25日~1994年1月18日 - 近鉄劇場
- 1997年11月11日~12月14日 - MBS劇場
- 2005年3月~8月 JR東日本アートセンター四季劇場[秋]
- 2006年5月27日~8月27日 京都劇場
- 2006年9月16日~12月24日 新名古屋ミュージカル劇場
- 2007年3月1日~3月31日 福岡シティ劇場
[編集] その他
[編集] 演出変更
- 旧演出では「お化け屋敷」のシーンでガイコツダンスと呼ばれる場面とピコが歌う歌が1曲あった。新演出変更に伴い、場面削除。
- 運動器具であるラートが利用されるようになった。
- 書類検索シーンで、かつては図書検索方式だったものがパソコン検索が併用されている。
- 霊界空港の職員は男性のみだったが、女性も加わった。
[編集] ロビー・パフォーマンス
2000年の福岡公演の時より、「劇場に入った時から夢の世界を楽しむことが出来るように」との意図から、一幕開始前に劇場前及びロビーにて役者によるパフォーマンスが行なわれている。通常、劇団四季の公演ではロビー・客席内の写真撮影は上演中はもちろん上演時間外においても禁止されているが、パフォーマンス中は写真・ビデオ撮影が許される。各パフォーマンスは以下の通り。
- 足長ピエロ -劇場前に竹馬を利用したピエロが登場する。
- ハンドベル演奏 -小人三人組によるハンドベル演奏。
- タップダンス -オモチャの兵隊によるタップダンスの披露と、客に対するタップ指導。
- 輪投げコーナー -輪投げに成功すると粗品
- 手回しオルガン -手回しオルガン奏者が劇場内を回遊
- 謎の人物
- マリオネット
など
[編集] 外部リンク
- 劇団四季・ステージガイド・夢から醒めた夢(劇団四季公式サイト内)