大赤斑
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大赤斑(だいせきはん)とは、木星に存在する高気圧性の渦である。赤道より22°南に位置し、少なくとも350年間は持続して存在している。この渦は地上の望遠鏡で観測可能であり、ジョヴァンニ・カッシーニにより1665年に発見された。
[編集] 概要
この巨大な渦の存在している木星は地球で言うところの大循環気流が狭い間隔で吹いており、そのそれぞれにおいて地球で言うところのジェット気流が非常に速い速度と風力でほぼ平行に互い違いの方向に吹いている。これは木星の高速な自転による強力なコリオリの力が影響しているためと見られる。そのような木星大気の中で大気を構成する物質は絶えず攪拌され上昇と下降を繰り返しており、大循環気流の境界ではあたかもマーブリングのような複雑な模様を描いている。大赤班は大循環気流を跨ぐような形で存在しているが、マーブリングの渦が発達した物であるのか、台風のようなものであるのか、あるいは下層に何らかの原因が存在しているのかなど、詳しい発生原因・構造は解明されていない。発見されて以来、形状を維持し続けており発見される以前から存在していたと見られ、あまりにも巨大で大きな力学的エネルギーを持っているため今後も存在し続ける物と見られる。
ある程度望遠鏡の精度が向上した1665年に発見された。掲載されている画像は、1979年2月25日にボイジャー1号によって撮影された大赤斑とその周辺の写真である。160km程度の雲の微細構造が見られる。大赤斑は反時計回りに、周期6日程度で回転している。大赤斑の大きさは24~40,000km×12~14,000kmで、おおよそ地球の2~3個分の大きさである。雲頂高度は周囲よりも8km程度高い。他にも木星には、多くは無名の白もしくは茶色の楕円も見られ、白い渦は比較的高高度・低温度の雲からなり、茶色の渦は標準的な高度のより暖かい雲で形成される。これらの渦は数時間から数世紀の間持続することがある。
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