天神の小六
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天神の小六(てんじんのころく)は、必殺仕置人に登場したセミレギュラーのキャラクターで、高松英郎が演じた。
江戸中のヤクザを束ねる大親分で、闇の世界の実力者。しかし自身は無用な争いを好まず、命を狙ってくる刺客を避けるためにわざと牢の中に居座り、そこから娑婆の配下に指令を下している。
仕置人中村主水とは懇意の仲で彼の裏稼業も知っており、いわゆる元締とは異なるが、主水たちの後見人的存在。仕置の依頼の仲介をしたり、ときには自らが依頼人になることもあった。
主水に言わせれば「奉行所の役人より、親分の方が正直者」で、自分を頼ってきた者は拒まないという義侠心の篤さを見せる反面、自らを「自尊心の強え男」と評する通り、その信頼を裏切った者、たてつくものは決して許さないという恐ろしい顔も持つ。その地位と命を狙われた際は、百人を超すであろう配下や仲間が集められ、主水が驚愕する場面もあった。
風流な一面もあり、牢内で茶の湯をひらくこともあった。
世の中の裏を知り尽くした名キャラクターであったが、番組半ばからその姿を見せなくなり、最終回でもその名が出ることすらなかったのは残念である。