太多線
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太多線(たいたせん)は、岐阜県多治見市の多治見駅から美濃加茂市の美濃太田駅に至る東海旅客鉄道(JR東海)の鉄道路線(地方交通線)である。
中央本線と高山本線を結ぶ鉄道。沿線は宅地化が進み名古屋や岐阜との直通列車が運転される通勤・通学路線となっている。
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[編集] 路線データ
- 管轄(事業種別):東海旅客鉄道(第一種鉄道事業者)
- 路線距離(営業キロ):17.8km
- 軌間:1067mm
- 駅数:8駅(起終点駅含む)
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化区間:なし(全線非電化)
- 閉塞方式:単線自動閉塞式
- 運転指令所:東海総合指令所
[編集] 運行形態
昼間時間帯でも30分毎運転と比較的本数が多い。多治見~美濃太田間の列車のほか、高山本線に乗り入れ、岐阜駅まで直通する列車もある。閑散時間帯はワンマン運転を実施。平日の朝夕には、通勤客向けに名古屋駅直通のホームライナー太多が運転されている。
[編集] 歴史
多治見~可児間は、東濃鉄道(現在の同名の会社とは別)が1918年に開通させた新多治見~広見(現在の可児)間を国有化したもの、可児~美濃太田間は新たに開業したものである。
東濃鉄道は軌間768mmの軽便鉄道で、広見駅は現在の場所より東にあった。1920年には広見~御嵩間が延伸される。
その後、国の多治見と美濃太田間を結ぶ鉄道計画に重なるため、新多治見~広見間が1926年に国有化され太多線となった。広見~御嵩間は新たに設立された東美鉄道に譲渡され、のちに現在の名鉄広見線の一部となる。
広見~美濃太田間が開業し全通したのは1928年である。多治見~広見間も1067mm軌間に改軌され(一部は新線に切り替え)、広見駅も現在の場所に移転した。
- 1918年(大正7年)12月28日 - 東濃鉄道 新多治見~広見間が開業(軌間768mm)。新多治見駅、小泉停留場、姫停留場、広見駅開業。
- 1919年(大正8年)5月13日 - 大藪口停留場開業。
- 1919年(大正8年)9月13日 - 小泉停留場を駅に格上げ(認可日)。
- 1920年(大正9年)2月15日 - 根本停留場開業。
- 1921年(大正10年)12月11日 - 大藪口停留場を駅に格上げ。
- 1926年(大正15年)9月25日 - 東濃鉄道の新多治見~広見間を国有化。太多線とする。新多治見駅を多治見駅に併合し廃止。停留場を駅に格上げ。
- 1928年(昭和3年)5月31日 - 多治見~小泉間に野中仮信号場を、姫~広見間に田白仮信号場を開設。
- 1928年(昭和3年)10月1日 - 広見~美濃太田間が開業し全通。多治見~広見間を1067mm軌間に改軌・新線切り替え。小泉駅、姫駅、広見駅移転。根本駅(初代)、大藪口駅、野中仮信号場、田白仮信号場廃止。
- 1952年(昭和27年)12月26日 - 根本駅(2代目)、下切駅、美濃川合駅開業。
- 1982年(昭和57年)4月1日 - 広見駅を可児駅に改称。
- 1982年(昭和57年)11月15日 - 貨物営業廃止。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により東海旅客鉄道に承継。
- 1989年(平成元年)3月11日 - ワンマン運転開始。
[編集] 駅一覧
駅名 | 営業キロ | 接続路線 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|
多治見駅 | 0.0 | 東海旅客鉄道:中央本線 | 岐阜県 | 多治見市 |
小泉駅 | 3.2 | |||
根本駅 | 4.8 | |||
姫駅 | 7.9 | |||
下切駅 | 9.4 | 可児市 | ||
可児駅 | 12.8 | 名古屋鉄道:広見線(新可児駅) | ||
美濃川合駅 | 15.4 | 美濃加茂市 | ||
美濃太田駅 | 17.8 | 東海旅客鉄道:高山本線 長良川鉄道:越美南線 |