宮田一郎
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宮田 一郎(みやた いちろう)は、森川ジョージの漫画作品及びそれを原作とするアニメ『はじめの一歩』に登場する架空の人物。アニメ版での声優は関智一。
[編集] 人物
現東洋太平洋フェザー級チャンピオン、WBC同級5位(単行本78巻現在)。川原ボクシングジム所属。
元鴨川ジム所属であったが、一歩とのスパーリングで敗北したのを機に彼をライバルとして認め、川原ジムに移籍。一歩の目指す最大の目標でありライバルでもある。「目の前から身体ごといなくなる」スピードと絶妙のタイミングで繰り出される電光石火のカウンターを武器にする生粋のアウトボクサー。鷹村をして「ディフェンス・テクニックだけなら俺より上」と言わせたステップワークは見る者全てを魅了する(それ故、それほど打たれ強いほうではない)。冷静に試合展開を読む戦術眼も優秀だが、その一方、例え打ち合う事になっても一歩も引かずに同じ土俵で勝負しようとする程、気が強く負けず嫌い。パンチの軽さを克服すべく東南アジア遠征時に体を投げ出すように放つ捨て身のジョルトカウンターを身につけるが、帰国後に鷹村からインパクトの瞬間体が開くジョルトの欠点を指摘され、背筋力を内側に集約しコンパクトに鋭く打ち抜くカウンターのアドバイスを受けた。これは本来一歩戦を想定して開発していたものだったが、父を引退に追い込んだ男の息子でスイッチヒッターのランディー・ボーイJr.との王座統一戦を優先した事で、一歩と距離をおく決意を固めた事を伝えるため、あえて骨折明けの復帰戦で手の内を披露した。本来はライト級がベスト階級だが、一歩と戦うことに拘るがためにフェザー級に留まり毎試合無茶な減量を行っていたが、一歩戦へのこだわりを1度捨てたことで今後は微妙ところではある。
父も元鴨川ジム所属のボクサーであり、東洋太平洋チャンピオンまで上り詰めた有望なアウトボクサーだったが、7度目の東洋太平洋タイトル防衛戦で相手に顎を砕かれ(後に宮田の切り札となる「ジョルトカウンター」の失敗による強打と思われていたが、実は相手に狙い打たれていたことが明かされる)、自分の非力さに限界を感じてそのまま引退。憧れていた父が負けた途端に母をはじめ多くの人が去っていった事への悔しさが、ボクサーを目指し、さらにカウンターに拘る理由となっている。引退後、父は専属トレーナーとして毎試合セコンドについており、全幅の信頼を寄せている。
普段の性格は至ってストイックでクール。イケメンでファッションの着こなしも抜群であることから女性人気も非常に高い(時折開催されるキャラクター人気投票では確実に上位1~2位にランクされる)。しかしそういった性格ゆえ、今まで作中で女性とのロマンスが描かれた事は一度もない。鷹村より先に鴨川ジムに所属していたが、年齢的なことでプロライセンス取得が遅れたために鷹村には後輩扱いされているが、宮田本人はそれを嫌がらずに心を開いている。ジム移籍後もかつての同僚・木村の日本タイトル挑戦時にはスパーリング・パートナーを務めたり、鷹村に眼の疾患の疑いがかかったときも本気で心配していたように、1度心を開いた者には情に厚く接する。心の内に熱いハートを秘めた、かつて日本に居た侍を体現するキャラクター。間柴からお坊ちゃん扱いされるなど、華やかな雰囲気から苦労知らずのエリート的なイメージがあるが、ボクシング以外の私生活では親元から離れ一人暮らしをしていてコンビニのバイトをしているという苦労人な面もある。
東洋太平洋タイトルに挑戦した時から「ビジネスを邪魔された」と、金に盲信するプロモーターMr.サカグチと因縁が生まれる。その執念の前に、結果的には一歩との約束の試合を諦めざるを得なくなった。別の意味で宮田親子の宿敵ともいえる。
モデルは作者がこの漫画を書くきっかけになった名ボクサーで「カウンターの貴公子」の名で知られた高橋ナオト(高橋直人。現JBスポーツ会長。なお高橋の性格はむしろ鷹村に近い豪快さで知られている)。
[編集] 得意技
- カウンター
- ジョルトカウンター(全身を叩き付けるカウンターパンチ)