Wikipedia:履歴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
この文書は草案です。まだ公式にリリースされたものではありません。現在、内容に関してノートページで議論を行なっています。 |
目次 |
[編集] 履歴とは何か
ウィキペディア上のページの多くには、「履歴」の情報が付随しています。記事や記事に付随したノートのページには、対応する履歴ページがあり、そのページの執筆・編集に参加した人のユーザ名(または IPアドレス)や執筆・編集が行われた日時、コメントなどが一覧できるようになっています。
例えばWikipedia:FAQというページには、それに付随する履歴ページがあり、URL はhttp://ja.wikipedia.org/w/wiki.phtml?title=Wikipedia:FAQ&action=history になっています。他のページも、このURLの「Wikipedia:FAQ」の部分をページ名に置き換えることで閲覧することができます。または、ページを閲覧したときにその項目の周囲にある「履歴」と書かれたリンクを選択しても結構です。
[編集] 履歴の法的な意味
ウィキペディアで採用されているライセンスであるGNU Free Documentation License(GFDL) では、ライセンスの対象となっている文書の改変を許可し、その条件のひとつとして、履歴情報を含むセクションを保存し、文書に何らかの改変を行った場合にはその改変を履歴情報として追加するように、と要求しています。
これによって、ある文書を他人が利用することを許可する代わりに、その文書が誰によって作成されたかが文書を読む人に明らかになります。
法的には、 GFDL に違反することは、著作者の許可なく著作物を利用することになりますから、著作権侵害になる可能性があります。履歴情報を伴わずにコピーした場合には、日本の著作権法の文脈では、複製権、氏名表示権などの侵害になる可能性があります。
[編集] 履歴情報が失われてしまう場合
ウィキペディアでは、記事やノートなどを編集すると、ページの履歴情報は自動的に更新されます。これはウィキペディアで用いているソフトウェアの機能によるものです。そこで、普通に書き込みをしているだけであれば、履歴の保存や修復について考える必要はまずないと言ってよいと思います。
また、ログインしているユーザが使える「移動」機能も、履歴情報を自動的に処理するので、大抵の場合、問題がありません。
但し、ウィキペディア上で次のような作業をした場合には、履歴情報が損なわれてしまう可能性があります。
- ウィキペディア日本語版内のあるページから、別のページへ、文章の一部または全部をコピー&ペーストすること。(単なるコピー&ペーストではなく、文章を改変しつつコピー&ペーストを行う場合も含みます。)
- 具体的には、決まり文句の使用、テンプレートの使用、ログ化、ページの統合、ページの分割、などを含みます。
- ウィキペディア日本語版以外の、他言語版のウィキペディアから文章をコピー&ペーストしたり、翻訳したりすること。
- 同じ GFDL でライセンスされているウィキペディア以外の文章を利用して投稿すること。
このような場合には、履歴情報を何らかの形で保存しないと、GFDLに反することになる可能性があります。
[編集] 履歴の保存、修復方法
この節に記載されている修復方法はノートでの議論により廃止されました(「/履歴」サブページシステム廃止の発案 の節を参照)。現在は使われておりません。
履歴の保存、修復方法については、Wikipedia:著作権に詳細がありますが、以下がその主な点です。
- ページA からページBへ何かをコピー&ペーストした場合は、ペースト先のページBに、コピー元のページAの履歴情報を付け加える必要があります。
- ウィキペディアのソフトウェアによって自動生成される履歴のページは、記事やノートのページのようには編集できないので、履歴情報を保存するための専用ページを作成する必要があります。
- このページは、「履歴」という名前がついていて、かつ、どの文書の履歴情報かを明確に示している必要があるので、「<ページ名>/履歴」という名前にします。<ページ名>の部分は、Wikipedia:FAQ など、適切なページ名におきかえます。
- この履歴用ページに、元の文書の履歴情報を掲載します。具体的には、編集日時、編集者のユーザ名またはIP、それに元の文書のタイトルなどです。
- GFDLには、この履歴情報は、タイトルの周辺、本文が始まる前のどこか目立つところに配置するように、という指示がありますので、本文の始まる前の冒頭部分から、履歴ページへのリンクを張ります。
- そのページだけが履歴情報を提供しているわけではなく、ソフトウェアによって自動的に生成される履歴ページもあります。そこで、その自動生成される履歴ページへのリンクを張ります。
例:
- 「桃太郎」という記事の一部を「昔話」という記事の一部に利用した場合には、コピー元である「桃太郎」の履歴情報を、「昔話」の履歴情報として提供します。
- このために「昔話/履歴」という名前のページを作成します。
- そのページに、「桃太郎」の履歴情報、つまり、編集日時、編集者のユーザ名(またはIPアドレス)、コメントのリストを提供します。
- その「昔話/履歴」へのリンクを、「昔話」の記事の冒頭部分から張ります。
- 「昔話/履歴」から、「昔話」の自動生成される履歴ページへのリンクを張ります。これは、以下の URL になります。 http://ja.wikipedia.org/w/wiki.phtml?title=%E6%98%94%E8%A9%B1&action=history
なお、GNU Free Documentation License には履歴情報の保存以外にも様々な要求事項があるので、それを考慮しなければならない場合もあります。
[編集] 管理者への依頼をする方がよい場合
上述の履歴の保存方法は、基本的に誰にでもできるものですが、一部の管理者権限を用いることで、履歴の保存や修復を行うこともできます。
特に、2つ(またはそれ以上)のページをひとつに統合する場合には、Wikipedia:統合依頼に出すのがよいとされています。この依頼について特に異論などがなければ、管理者は、Wikipedia:ページ名の変更に説明されているような手続きを経て統合します。
- 依頼対象となったページの一方を削除する。
- もう一方を、削除したページへと移動する。
- 削除したページを復活させる。
この処理を経ると、2つのページの履歴も統合され、それが単一のページが改訂される際に自動生成される履歴と同じように見えるようになります。
もうひとつ、管理者の権限として近日導入される見込みである、Wikipedia:XML インポートの機能を利用することで履歴情報を保存・修復することもできます。
この手続きなどについては特に指針もルールもありませんが、以下のような操作が可能です。
- 特定のページの履歴や過去の版のデータをXML形式で読み出す。
- それを別の特定のページの履歴、過去の版のデータとして、XML形式で導入する。
統合の手続きをとった場合、基本的に2つの記事の、全ての履歴を備えたひとつの記事が作成されることになります。
XML インポートを利用すると、一方の記事はそのままの状態で残り、もう一方の記事には、履歴情報や過去の版の内容が追加されることになります。また、 XML 形式のデータをインポートする前に編集することで、特定の履歴と過去の版の内容だけを追加したり、特定の版について履歴情報のみを追加してその版の内容は空白にしておく、などの措置をとることも可能です。
このような XML インポートの機能は、不適切な形で利用すると、GFDL 違反になってしまうので多少注意が必要ですが、以下のような用途に使うには統合よりも適していると考えられます。
- ある記事の特定の過去の版までの履歴と、過去の版の内容を、別の記事に追加したい場合。
- ある記事の特定の版に著作権侵害のおそれがある文章が含まれているので、それを除去して、残りを別の記事に統合したい場合。
また、上述の、履歴専用のページを作成する方法は誰にでもでき、XML インポートは管理者にしかできませんが、操作は後者の方が簡単なので、XML インポートを活用する方がよい可能性が考えられます。
[編集] 履歴を保存しなくてもよい場合
GFDLで提供されている文書の履歴を保存しなくても問題がない場合も、例外的にですが存在します。
- ある文書を編集したのが自分ひとりの場合。
- この場合、自分が定めた利用許諾に反して自分の文書を利用することになるわけですが、そこで誰かの権利が侵害される可能性があるとすれば、自分自身の権利でしょう。自分の著作権を自分で侵害することは問題がない(あるいは侵害にならない)ので、GFDLにこだわることはないと思われます。
- あるページの途中の版以降、それまでの版に全く依拠しない文章を自分で新しく投稿、編集した場合。
- この場合、新しく投稿・編集が始まった時点よりも前の履歴を保存しなくても、おそらく問題ないのではないかと思われます。
- あるページの履歴に掲載されている人全員から、履歴を保存しないことについて承諾を得た場合
- この場合、履歴を保存しなくてもよいと思われます。
- あるページの過去の特定の版をコピーする場合。
- この場合、その版以降の履歴情報はその文書の履歴ではないので、その版までの履歴のみを保存して残りは除去するのがよいと思われます。
[編集] Q&A
Q. 英語版などでは、履歴の保存をしなくても、単に元になるページへのリンクさえ示せばよいという風になっているようですが、どうして日本語版ではそれではいけないのでしょうか?
A. 様々な理由がありますが、英語版は、アメリカの法律のみを考慮する方針で運営されています。そのひとつの帰結として、ライセンスについては、厳密に忠実に守らなくても、合理的に実行できる範囲で守りさえすればそれでよいと法廷で認めてもらえる可能性がある、とされています。日本語版でトラブルが起きた場合には日本の法廷で、日本法に基づいて裁かれることになる可能性があるため、このような「合理的に実行できる範囲で守りさえすればよい」という仮定を導入しにくくなっています。
また、英語版内では、GFDL の解釈や、GFDL とウィキペディアの対応関係については解釈が分かれており、英語版の「 History 」のページは GFDL で要求されている履歴情報のことでない、という説や、ウィキペディアは全体としてひとつの文書なので、履歴の保存を必要とするような「文書間のコピー&ペースト」はどこにも行われていない、というような説もあります。
Q.記事に何かをコピーして来た場合、その記事のノートのページに履歴を貼り付けるのでは駄目でしょうか?
A.ウィキペディアでは、記事の履歴とノートの履歴はそれぞれ独立して存在しており、それぞれ独立の文書として存在しているようです。そこで、記事の履歴は「記事名/履歴」のようなページに、ノートページの履歴は「ノートページ名/履歴」のようなページに保存する方が理に適っているということに、今までの議論ではなっています。
Q.「記事名/履歴」というような名前の付け方は、いわゆる「サブページ」と呼ばれるものに相当するので、何か他のページ名にすることはできないでしょうか?
A.合意がとれれば可能だと思います。記事の履歴情報は、その記事とセットになった、単一の文書の一部分なので、そうであることがわかりやすい方が望ましい、という一般原則があります。ですが、サブページを利用しなければならない、という必然性はありません。
[編集] 履歴の問題を解消すべく提案された方策
これまでに議論されたアイディアには、次のようなものがあります。
- ウィキペディアのコンテンツをウィキペディア内部で利用する分にはGFDLの適用を受けないとする説の採用
- プロジェクト内擬似PDライセンスなど新しいライセンスの導入
- ノートページに履歴情報を記載すること
- 記事のサブページ以外の場所での履歴情報の保存
- GFDLの改訂権を持つフリーソフトウェア財団に対して、よりウィキペディアの実情に即したライセンスの改訂を期待・要望すること
- 特定の版の本文のみを読めないようにし、履歴情報はそのままにしておく「特定版の本文の削除機能」の導入と活用
[編集] 関連の議論
これまでにあった履歴にまつわる議論には、次のようなものがあります。
- ノート:小松左京/削除 (2003年6月24日からの分)、及び当時の削除依頼ページでのやりとり(この差分で消去された分。)
- ノート:映画館/削除 (2003年10月19日から)
- Wikipedia‐ノート:ウィキプロジェクト 日本の市町村 (2003年12月3日から)(「テンプレートについて」と題された節)
- Wikipedia‐ノート:著作権 (2003年12月24日から)
- Wikipedia:井戸端BBS上: 著作権とGFDL関連の問題、著作権とGFDL関連の問題 (2) (2004年2月27日から)
- Wikipedia:井戸端この版[1]にある「処理の遅れから削除されたものを基とした場合の履歴情報について」の節 (2004年5月25日から)
- ノート:フォークランド諸島 (2004年5月から)
- Wikipedia‐ノート:履歴 (2004年6月から)
- Wikipedia‐ノート:記事の分割と統合#分割のための記事の複製の提案 (2005年1月から)
- Wikipedia‐ノート:記事の分割と統合#要約欄に履歴の継承のための記載がないコピペ移動について (2005年2月から)
- Wikipedia‐ノート:削除の方針/履歴情報の追補 (2006年6月から)
- Wikipedia‐ノート:著作権#翻訳および分割におけるGFDL違反への対処方法変更の提案 (2006年6月から)
- Wikipedia‐ノート:翻訳FAQ
[編集] 関連項目
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