山川健一
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山川 健一(やまかわ けんいち、1953年(昭和28年)7月19日 - )は、日本の作家・ロックミュージシャン。千葉県千葉市出身。本名・同じ。早稲田大学商学部卒業。
1977年『鏡の中のガラスの船』で『群像』新人賞優秀作受賞。作風はヴァラエティに富んでおり、『壜の中のメッセージ』『天使が浮かんでいた』に代表されるところの、ローリング・ストーンズをはじめとするブリティッシュ・ロックの精神を盛り込んだ青春小説を精力的に執筆する一方で、『追憶のルート19』『サザンクロス物語』等に代表される単車小説も数多く手掛ける。またアップル社のマッキントッシュ・コンピューターに関する造詣も深く、自身のマッキントッシュとの出会いをライトなタッチで描いた『マッキントッシュ・ハイ』は、マッキントッシュ初心者向けの指南書としても好評を博した。マック関連の最新刊は「希望のマッキントッシュ」。また、イタリアの乗用車、アルファロメオのオーナーであった際には、それに関する著書も出している。この他ポルシェ、ジャガー、レンジローバーに関する書籍も発表している。1989年には、高見沢俊彦を実名で登場させた作品「蜂の王様」を発表し、一部で物議を醸した。
2001年に発生したいわゆる9.11(アメリカ同時多発テロ)の後、作風が変化した。9.11以前はロックや単車に象徴されるポジティヴでスポーティな作風であったが、ポスト9.11を代表するエッセイ集である「イージー・ゴーイング—頑張りたくないあなたへ」においては、「階段を下りてゆく勇気を持とう」という生活防衛的な世界観が著述全体を貫く基調低音となっている。
ロックミュージシャンとしては、バンド"The Rudie"のボーカルとして、1986年にアルバム『Backstreet』を発表。The Rudie解散後も、So Much Troubleなどいくつかのバンドを経て今日に至るまで、ローリング・ストーンズの強い影響下にある音楽を世に問いつづけている。
またロック雑誌編集も手がけ、1990年代に「ルーディーズ・クラブ」誌編集長をつとめた。渋谷陽一(「ロッキング・オン」誌創刊者)を中心とするビートルズ~レッド・ツェッペリン直系のロック史観に対し、ローリング・ストーンズを中心とする歴史観を提示し、一定の評価を受けている。
[編集] 主な著書 (順不同)
- 鏡の中のガラスの船
- 水晶の夜
- ロックンロール・ゲームス
- ローリング・キッズ
- 星とレゲエの島
- 壜の中のメッセージ
- さよならの挨拶を
- サザンクロス物語
- 追憶のルート19
- マッキントッシュ・ハイ
- 希望のマッキントッシュ
- 日曜日のiMac
- 快楽のアルファロメオ
- 真夏の二ール
- カナリア
- スパンキング・ラヴ
- マギー・メイによろしく
- 蜂の王様
- セルフポートレイト
- 歓喜の歌
- 夜の果物、金の菓子
- ローリング・ストーンズ伝説の目撃者たち
- イージー・ゴーイング—頑張りたくないあなたへ