山形交通高畠線
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高畠線(たかはたせん)は、かつて山形県東置賜郡高畠町の奥羽本線糠ノ目駅(1991年に高畠駅と改称)から分岐して(旧)高畠駅までを結んでいた、山形交通の鉄道路線。
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[編集] 概要
高畠町周辺で製糸業が発展したため、工業製品の輸送を目的に敷設された。昭和期に入り電化され、戦前には工業製品のほか、木材・乳製品・木炭・果物の輸送も担った。
戦後、トラックの発展によりそちらに役目を譲り、1974年(昭和49年)に全廃された。
[編集] 路線データ
1968年当時のもの
[編集] 運行概要
1937年12月当時の旅客列車
- 運行本数:糠ノ目-高畠間4往復、糠ノ目-二井宿間6往復
- 所要時間:糠ノ目-高畠間13-15分、糠ノ目-二井宿間39-47分
1970年8月当時の旅客列車
- 運行本数:日16往復(6時台から20時台まで毎時0-2本)
- 所要時間:全線13分
[編集] 歴史
- 1921年(大正10年)2月15日 高畠鉄道創立
- 1922年(大正11年)3月16日 糠ノ目-高畠間5.2km開業
- 1924年(大正13年)8月31日 高畠-二井宿間10.4km開業
- 1929年(昭和4年)9月1日 全線電化
- 1943年(昭和18年)10月1日 高畠鉄道、三山電気鉄道、尾花沢鉄道が合併して山形交通の運営となる
- 1950年(昭和25年)12月1日 東高畠駅開業
- 1955年(昭和30年)8月1日 安久津駅を八幡宮前駅、駄子町駅を蛭沢駅に改称
- 1966年(昭和41年)8月15日 水害により、高畠-二井宿間をバス代行輸送とする
- 1968年(昭和43年)10月1日 高畠-二井宿間廃止
- 1974年(昭和49年)11月15日 この日限りで全線営業終了
- 1974年(昭和49年)11月17日 凸型電気機関車によるお別れ列車運行
- 1974年(昭和49年)11月18日 全線廃止
[編集] 車両
廃線時に在籍していた車両は以下の通り。貨車については省略する。
[編集] 電車
- モハ1・2 - 高畠鉄道オリジナルの小型車。
- モハ3 - 元西武の小型車。
- モハ4 - 元西武の川造形電車。廃線後は高松琴平電気鉄道に譲渡された。詳しくは高松琴平電気鉄道890形電車を参照。
- クハ1 - 元近江鉄道。尾花沢線(→三山線)のハフ4 (2代)とは同系車。
[編集] 客車
- ハフ3 (3代) - 元西武の小型電車で、モハ3と同系車。1970年の尾花沢線廃止により転属してきたが、高畠線では使用されることがなかった。
[編集] 電気機関車
- ED1 - 電化時に増備された凸形電気機関車。東急デキ3021とほぼ同形。
- ED2 - 元鳳来寺鉄道の戦時買収車を1963年に近江鉄道から譲受した凸形電気機関車。詳しくは国鉄ED28形電気機関車 (初代)を参照。
[編集] 駅一覧
1968年当時
- 糠ノ目駅 - 一本柳駅 - 竹ノ森駅 - 高畠駅 - 東高畠駅 - 八幡宮前駅 - 蛭沢駅 - 上駄子町駅 - 二井宿駅
[編集] 接続路線
- 糠ノ目駅:奥羽本線
[編集] 廃線跡
(旧)高畠駅の駅舎はそのまま保存されており、鉄道廃止後も代替する山交バス高畠待合所として利用されていた。現在は代替バスは町営になった後、廃止されている。電車1両(モハ1)、電気機関車1両(ED1)、貨車1両も保存されている。 路線跡はサイクリングロードまほろば緑道となり、置賜自転車道(米沢駅~赤湯駅)の一区間となった。
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