岩阪恵子
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岩阪恵子(いわさか けいこ、1946年6月17日 - )は、日本の小説家。 奈良県生まれ。関西学院大学文学部史学科卒。
夫は詩人・作家の清岡卓行(きよおか たかゆき)。
[編集] 略歴
1歳から23歳までを大阪市旭区で送る。19歳から詩作を始める。24歳のとき、師事していた詩人・作家の清岡卓行と結婚し、東京に転居。この年から小説を書き始める。清冽かつ透明な作風をもって出発したが、大阪出身の画家小出楢重の評伝執筆が契機となって、故郷大阪の土地とことばを深々と血肉化した短編集『淀川にちかい町から』を出版し、この短編集をもってひとつの転回点となす。以後、日常の深部に触れるような陰翳に富む筆致で独自の短篇小説世界を築いてゆく。『雨のち雨?』の表題作およびに『掘るひと』収録の短篇群は岩阪文学のひとつの到達点と呼ぶに相応しく、今日において稀有な、「書く」という手作業の温もりと厳しさを体現している作家である。