弦楽セレナーデ (チャイコフスキー)
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チャイコフスキー作曲の弦楽セレナード ハ長調は、1880年に作られた、弦楽オーケストラのための4楽章の作品である。作曲者を代表する作品として広く親しまれている。
作曲者がモーツァルトへの敬愛から書いたものであり、書簡にも「強い内的衝動によって書かれ、芸術的な価値を失わない」と記した、屈指の名曲である。
目次 |
[編集] 作品の概略・構成
ハ長調という最も単純明快な調性で書かれ、素朴であるが、それがきわめて感動的である。
[編集] 第1楽章「ソナティネ形式の小品」 Andante non troppo.
序奏を持ち、展開部を欠くソナタ形式
ハ長調でありながら、イ短調の主和音で開始される重厚な序奏は、きわめてメランコリックで印象深い。序奏の雰囲気を保ち、広々とした第一主題と、細かい音符による、軽やかな第二主題からなる。提示部が終わると、リピートするように見せかけて、再現部を始めるというユニークな書法をとっている。コーダで序奏主題が再現される。
[編集] 第2楽章 Moderato. Tempo di Valse
ワルツ。ソナタや交響曲の楽章にワルツを用いることは、チャイコフスキーの常套手段であったが、この楽章も例外でない。ワルツのリズムに乗って、第1ヴァイオリンが奏するメロディーは親しみやすく、有名である。
[編集] 第3楽章「エレジー」 Larghetto elegiaco.
ホモフォニックで印象的な序奏に始まり、3連符のリズムに乗って、様々な声部で淡々とした歌が奏される。倍音を響かせた終止の和音から、直接第4楽章に繋がれる。
[編集] 第4楽章 Andante—Allegro con spirito.
第3楽章から続いた和音によって開始され、そこから穏やかであるが、感動的で何かが起こりそうな序奏となる。主部のモティーフが示され、主部に流れ込む。なお、両主題はロシア民謡を基盤としている。終結部に第1楽章の序奏主題が再現され、堂々と全曲を閉じる。
カテゴリ: チャイコフスキーの楽曲 | 弦楽合奏曲 | セレナード