志野流

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志野流（しのりゅう）は香道および茶道流派の一つ。

[編集] 歴代

[編集] 志野家

初代志野宗信は足利将軍家の6代義教から8代義政まで仕えた近臣であった。3代志野省巴は千利休を含む多くの門人を抱えたが、隠棲するにあたってその一切を建部隆勝に預け、建部隆勝の推により志野流は蜂谷宗悟に受け継がれたと伝えられる。一方で米川流の祖米川常伯のように蜂谷家とは独立に建部隆勝の流れを汲むものもいて、これらを建部流と称することがある。

志野家歴代
代	号	斎号	生没年	備考
初	宗信	松隠軒	1441年- 1522年	1406年生1490年没とも
二	宗温	参雨斎	1477年- 1557年
三	省巴	不寒斎	1502年- 1571年

[編集] 蜂谷家

前述の通り志野流は蜂谷宗悟に受け継がれたが、建部流と対比させて蜂谷流と称することもある。9世宗先は元禄期の時流に沿って家元制度を確立させ、志野流の中興と称せられる。藤野専斎昌章（1701年～1783年）は宗先の高弟で、宗先の没した後4代に渡って後見を務め、40年に及ぶ宗家継承の難局を乗り切った。15世宗意の時、元治元年（1864年）の禁門の変の兵火により家屋を焼失、尾張家の庇護により名古屋に移った。それまで香道・茶道一体として受け継がれていたが、この時期に蜂谷家における元来の志野流茶道は絶えている。香道は諸芸能と同様維新後に衰退したが、戦後に盛り返して現在は御家流と共に大きく二分している。明治以降改めて茶道の教授も行われるようになったが、これは元の志野流とは異なるものとされる。

蜂谷家歴代
世	代	号	斎号	生没年	備考
四	初	宗悟	休斎	不詳- 1584年
五	二	宗因	一任斎	不詳- 1607年
六	三	宗富	桂山	不詳- 1660年	北翁とも
七	四	宗清	黙斎	不詳- 1688年	宗富の弟で、号は心誉とも
八	五	宗栄	揚山軒	不詳- 1728年
九	六	宗先	葆光斎	1693年- 1739年
十	七	勝次郎		1722年- 1748年
十一	八	豊光		1727年- 1764年	勝次郎の弟
十二	九	式部		不詳	岡本家から養子、のち不縁
十三	十	豊充		不詳- 1812年	岡本家から養子、のち不縁
十四	十一	貞重	常足庵	1759年- 1826年	藤野専斎昌章の甥春昌の次子で、岡本家猶子
十五	十二	宗意	閑斎	1803年- 1881年
十六	十三	宗敬	好古斎	1837年- 1890年	貞晴の子
十七	十四	百枝	桂香庵	1834年- 1907年	宗敬の姉
十八	十五	宗致	頑魯庵	1874年- 1931年	釈了吾の子
十九	十六	宗由	幽求斎	1902年- 1988年
二十	十七	宗玄	幽光斎	1939年-	当代

[編集] 志野流茶道

一方で鳥取藩の支藩鳥取東館の池田仲雅が志野流の茶道を好み、流祖像を作り大谷平奉弘を茶頭として志野流茶道を指導させたことから、志野流の元来の茶道が因幡地方に伝来することになった。因幡においては合議にて流祖像の継承者を決めている。

志野流茶道歴代
世	名	斎号	生没年	備考
十	蜂谷貞重	常足庵		蜂谷家11代
十一	大谷春水	月下庵	不詳- 1849年
十二	久保宗範	松風斎	1794年- 1864年
十三	中山山中	月松斎	1814年- 1876年
十四	河田直	松月斎	1824年- 1900年
十五	鵜殿長	和月庵	1834年- 1908年
十六	岡政令	酔月庵	不詳- 1923年
十七	藤井宗仙	如月庵	1880年- 1968年
十八	藤井宗生	松風庵	1923年-