悲観主義
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悲観主義とは、ペシミズム(pessimism)の訳語の一つ。厭世観とも。語源はラテン語で最悪のものを意味するpessimumに由来する。
元来は哲学の分野で用いられる語で、この世界は悪と悲惨に満ちたものだという人生観をさす。反対語は楽天主義(オプティミズム:optimism)である。世界は盲目的な意志によって動かされているとするショーペンハウアー(Schopenhauer,A.)の思想が悲観主義の代表である。
悲観主義はしばしばうつ状態に伴って現れ、自分自身・世界・将来についての悲観的考えが支配的となる。認知療法では、患者の悲観的考えを同定しその妥当性を再検討することを治療技法として行う。また、アドレリアン(Adlerian)は子供の発達において励まし(encouragement)が不可欠であることを説き、不用意な批判がペシミズムを招き、発達を阻害することの危険性を説いている。