接周辞
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接周辞(せっしゅうじ)または両面接辞(りょうめんせつじ)とは、接辞の一種であり、語の前後に付いて、語の意味を補ったり、変えたり、品詞を変えたりする形態素をいう。別々の接頭辞と接尾辞だと見なされることもある。
- お- -する
- 伝える + お- -する = お伝えする
- 書く + お- -する = お書きする
- お- -になる
- 飲む + お- -になる = お飲みになる
- 話す + お- -になる = お話しになる
- お- -さま
- 疲れ + お- -さま = お疲れさま
- 待ち遠 + お- -さま = お待ち遠さま
古語では、禁止を表す「な- -そ」などが接周辞と考えられる。[2]
- な- -そ
- 来る + な- -そ = なこそ (来るな)
- な- -そね
- 吠える + な- -そね = な吠えそね (吠えるな)
例えばドイツ語では、ge- -t は分詞形を作る接周辞である。動詞 lieben, spielen の場合、分詞形は geliebt, gespielt となる。
[編集] 参考文献
- ^ Boeckx, Cedric & Fumikazu Niinuma (2004), "Conditions on Agreement in Japanese", Natural Language and Linguistic Theory 22(3): 453-480
- ^ Vovin, Alexander (2003), A Reference Grammar of Classical Japanese Prose, RoutledgeCurzon, ISBN 9780700717163