散乱ディスク天体
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散乱ディスク天体 (Scattered Disk Object, SDO) とは、離心率の大きな軌道を描く海王星以遠天体の名称である。近日点距離は約30~40AU(ほとんどは約30 AUを大きく超えない)、遠日点ははるか遠く(約70~数百 AU)にある。すなわち、近日点の付近ではエッジワース・カイパーベルト内に位置するが、軌道の大部分はその外側に位置する。海王星の重力によって、エッジワース・カイパーベルトから散乱させられた天体である。太陽から遠く暗いため、未発見の大きなものが多数あると推測されている。海王星以遠天体としては最も大きい(136199) エリスも散乱ディスク天体である。
散乱ディスク天体をエッジワース・カイパーベルト天体に含むか否かについては見解が分かれる。また、セドナを便宜上、散乱ディスク天体に含めることがあるが、その場合でもエッジワース・カイパーベルト天体には含めない。
代表的な散乱ディスク天体に、(136199) エリスや(15784) 1996 TL66、(84522) 2002 TC302がある。
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