早瀬未沙
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早瀬 未沙(はやせ みさ)は、SFアニメ作品『超時空要塞マクロス』に登場する、架空の人物。主要登場人物のひとり。女性。宇宙戦艦マクロスの航空管制主任。(声:土井美加)
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 超時空要塞マクロス
百年続く軍の名家の一人娘として生まれ、東京青山で育つ。ライバー少尉への初恋から士官候補養成所に入るが、火星基地より帰還途中の少尉が反統合勢力ゲリラの攻撃で死亡。続けて母親も病没する。恋人の遺志を継ぎ、父、早瀬隆司(当時中将)から自立する決意で宇宙軍士官学校の猛訓練に耐え、16歳ながら主席卒業を果たす。統合戦争後復員するが、偶然南アタリア島のSDF-1マクロス乗員訓練選抜センターの募集を知って入校。2年後、マクロスの主任航空管制官に任命され、ゼントラーディ軍との宇宙戦争(第一次星間大戦)に巻きこまれる。階級は作品中で中尉、大尉、少佐へと昇進。
厳格な仕事振りから「主席の中尉は鬼より怖い」と呼ばれ、反抗的なパイロット一条輝とは口論が多い。ダイダロスアタックの考案、ゼントラーディ人とのファーストコンタクトの分析、プロトカルチャー説の考察など、頭脳的な貢献にブルーノ・J・グローバル艦長の信任も厚い。堅物ぶりを親友クローディア・ラサールやオペレーター3人娘、ヴァネッサ・レイアード、キム・キャビロフ、シャミー・ミリオムに茶化されても、つねに軍人としての使命優先を貫いていた。
しかし、初恋の人に似た反戦主義者リン・カイフンの出現や、早瀬提督ら軍上層部の強硬論から「異星人との和平」を模索しはじめ、共存の道をつむぐ役を務めることになる。その思いを共にする一条輝とは次第に惹かれあい、やがて本来の女性らしい一面を見せはじめる。しかし想いを素直に表現できず、恋愛ではクローディア・ラサールの助言に頼ることが多かった。ゼントラーディ軍との最終決戦では、和解もむなしく父の戦死に際することになった。
終戦後も新統合政府のメインスタッフとして活躍。ようやく一条輝と結ばれ一条未沙となり、長女未来(みく)を出産。2012年、マクロス級2番艦の超大型移民船メガロード-01艦長に就任し、航空隊長の夫や歌手リン・ミンメイらとともに外宇宙へ旅立つ。2016年、銀河系中心部でメガロード-01の乗員とともに謎の失踪を遂げた(一般には公表されず)。
[編集] その他の登場作品
[編集] 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか
年齢以外設定に変更なし。テレビシリーズでは気丈さが長所であり、恋愛面の欠点であった。劇場版では一条輝と地球を放浪しながら、弱さをさらけ出し、素直に愛を受け入れるなど、ひとりの優しい女性へ変わりゆく様が丹念に描かれている。
[編集] 超時空要塞マクロス Flash Back 2012
超大型移民船メガロード-01の艦長として、ブリッジで指揮をとる姿が登場する。艦長用の帽子・制服などが新たにデザインされた。
[編集] 解説
機動戦士ガンダムのミライ・ヤシマに着想を得て、テレビアニメでは珍しい「地味めなヒロイン」として演出された。テレビシリーズ序盤においては視聴者に華やかなリン・ミンメイをヒロインと思い込ませるため、意図的に「おばさん」扱いされている(実際は19歳で輝との年齢差は2歳ほど)。中盤以降、徐々にキャラクターの深みを増し、仕事と恋に悩む年頃の女性像が明かされていくと、従来のヒロインにない等身大の魅力がファンの支持を得ていった。
[編集] データ
- 日本出身。1990年3月3日生まれ。19歳(劇場版では21歳)。身長168cm体重45kg。血液型A型。
- 父は早瀬隆司、母は早瀬沙紀子。生まれた未の刻(午後2時)と母親の一文字から「未沙」と名付けられた。
- 少女時代は利発で愛らしく、父の部下であったグローバル艦長(当時中佐)には事のほか可愛がられていた。
- 企画初期の名前は「早瀬亜綺(アキ)」であった。海外版"ROBOTECH"ではLisa Hayesという名前である。
- TV版のエンディングテロップでは、早瀬美沙と誤植されており、最終回まで修正されなかった。
[編集] 関連作品
- 小説 大野木寛 『早瀬未沙~白い追憶』 徳間アニメージュ文庫 1984年
- ドラマレコード(ドラマCD) 『超時空要塞マクロス4 遥かなる想い』 ビクター 1983年