昂平360
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昂平360(ゴンピン360、Ngong Ping 360)は、香港の地鐵有限公司が運営している観光用のロープウェイである。ランタオ島の東涌(トンチョン)と昂坪(ゴンピン)を結んでいる。
[編集] 概要
全長5.7kmで2006年に開業した。公式の案内などに、中国語で「纜車」、英語で「cable car」と表示されているが、軌道があるケーブルカーではない。所要時間は20分から30分。強風時には徐行することになっている。ルートは、東涌から一度、香港国際空港のある赤鱲角(チェクラプコック)に向かう。そこで方向転換をした後、彌勒山の山頂を経由して、昂坪に到着する。ただし、途中に乗降駅はない。また、乗車にはチケットの購入が必要であり、クレジットカード払いは可能だが、オクトパスは使えない。
[編集] 観光
昂坪駅には「昂坪市集」という商店・レストラン群が併設され、そこを歩いて抜けると5分ほどで天壇大仏のある宝蓮禅寺がある。宝蓮禅寺には「素食レストランが併設されている。」素食とは、中国式精進料理である。宝蓮禅寺のものは台湾素食よりも、やや高級感がある。大仏に向かう階段の手前に食券売り場があり、そこで食事の時間を予約する。この食事券を購入しないと、大仏の中には入れない。なお、階段を上り、周囲から景色を眺めることはできる。これら以外には、特記すべき施設がない。
従来は、新大嶼山巴士(新ランタオ島バス)がランタオ島における独占バス事業者(東涌および香港国際空港を除く)であり、宝蓮禅寺への交通を独占していた。昂平360の開通により所要時間が40分ほど短縮され、新大嶼山バスの利用者は激減した。
香港国際空港に近接した場所にあるため、空港利用時についでに観光したいという人も多いと思われるが、荷物の預かり所などはないので、空港に預けてから行くなどの対策が必要。空港からはバスで移動することになる。