最低限所得保障
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最低限所得保障(さいていげんしょとくほしょう、Guaranteed minimum income)は全ての個人にベーシックニーズを満たす一定額の所得を給付する構想である。
よく知られる概念としては、ベーシック・インカム(Basic income)または基本所得があり、労働・年齢・性別などの一切の条件を問わず、無条件で支給することが大きな特徴である。欧州では市民性を軸としてこの構想を捉えようとしているため、しばしば市民所得(Citizen's Income)とも呼ばれる。
また、ベーシック・インカムと類似の構想として、負の所得税(Negative Income Tax)や参加所得(Participation Income)、社会配当(Social Dividend)などが存在するが、その中身は要求する条件や所得の程度の多寡により、大きく異なる。
ベーシック・インカムの特徴としては、福祉(所得)と就労(労働)を切り離すことで、従来の福祉制度において、賃金水準の変化を元にした生活不安を払拭する点があり、この点で両者との結びつきを強く意識したワークフェアの構想とは大きく異なる。
[編集] 参考文献
- Tony Fitzpatrick著、武川 正吾・菊地 英明訳『自由と保障ーベーシック・インカム論争』、勁草書房、2005年、ISBN 432660185X
- 小沢 修司著『福祉社会と社会保障改革ーベーシック・インカム構想の新地平』、高菅出版、2002年、ISBN 4901793047