朝鮮人民軍総政治局
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朝鮮人民軍総政治局(총정치국)は、朝鮮人民軍の政治査察機関。
総政治局は、形式上、人民武力部所属だが、実際には朝鮮労働党組織指導部第1部第13課(人民武力部担当)から直接指揮を受ける。
[編集] 機構
総政治局の各部長は少将~中将階級で、副部長は少将、課長は大佐級である。総政治局所属部署である敵工部は、一種の心理戦部署で、板門店共同警備区域の韓国軍少尉殺害事件当時、北朝鮮敵工部関連説が捜査当時話題となったことがある。総政治局は、心理戦と関連した特殊作戦のため、563軍部隊という準特殊部隊も運用しているという。
- 組織部:党組織指導部第1部第13課を通して下される党の政策方針に従って、軍に対する党組織・人事事業を管掌する。
- 宣伝部:
- 人民軍出版社:軍に関する各種印刷物、単行本の発行、刊行に関する任務を有する。
- 人民軍新聞社:人民軍新聞の編集、発行を任務とする。
- 4.25映画撮影所:軍事関係の映画を製作して、各軍と部隊に配布することを任務とする。
- 4.25体育団:軍内に職業体育チームを育成・運用、各種の大会に参加させる。
- 人民軍協奏団:軍内の演芸団体として、各部隊に慰問公演を行う。
- 幹部部:党幹部部が将官人事を行えるように、その資料を提供する。
- 統計部:軍内の政治事業に関する一切の統計資料の収集と保管、及び統計資料作成を任務とする。
- 公報部:軍内の報道、広報に関連した事業を組織、実行する。
- 監察部:軍内での党事業全般に関する検閲を実施する。
- 特別政治部:軍内に党の路線と政策を貫徹させるための全ての事業の企画、運営を担当する。
- 文化連絡部:心理戦術を担当し、軍内の心理戦を運用する。
- 敵工部:韓国軍兵士との接触工作、拉致、越北の工作、非武装地帯での拡声器放送、出版物配布等を平時の任務とする。戦時には、占領地域で住民対策事業を行い、反動分子の摘発と韓国側の力量測定を任務とする。
- 青年同盟指導部:軍内の社労青に対する組織生活の指導を担当する。
総政治局は、傘下に総参謀部と対称的な下部機構を組織している。即ち、軍種司令部政治部、軍団政治部、師団政治部、旅団政治部、部隊政治部、区分隊政治部、中隊政治指導員が置かれている。